東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。日経平均は49円安の26,683円で寄り付くと取引開始から20分余りで97円安の26,634円まで下落しましたが、持ち直すと10時にわずかにプラスに転じました。しかし、4円高の26,736円で上値が押さえられると再び下げ幅を広げ83円安の26,648円で前場を終えました。89円安でスタートした後場の日経平均は14時10分前に126円安の26,605円まで下落し本日の安値を付けましたが、その後引けにかけて下げ幅を縮め14時50分過ぎに35円安の26,696円まで戻すと結局44円安の26,687円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

川崎重工業(7012)が5.7%高となりました。国産初の手術支援ロボットの量産を開始し関連事業で2030年度に売上高1000億円を目指すと伝わったことが好感されました。ミドリムシ原料の健康食品のユーグレナ(2931)も一時9.4%高まで上昇する場面がありました。健康食品などの収益拡大を目指し投資ファンドや東京センチュリー(8439)と共同で青汁のキューサイを数百億円で買収する方針を固めたと伝わったことが材料視されました。上げ幅を縮め引けは2.5%高となっています。

日本金属(5491)も28.0%上昇しストップ高となりました。リチウムイオン電池のデメリットを解消する未来の電池とされるマグネシウム二次電池の負極用新合金のサンプルを試験提供すると発表したことで買いを集めました。また、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたプレス部品のユニプレス(5949)が5.1%高となっています。

一方でANAホールディングス(9202)が7.9%安となりました。11月27日に発表した公募増資の受け渡し日で、昨日の株価が発行価格を8%上回っていたことから利益確定の売りが出ました。業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も7.9%安となりました。本決算で発表した今期の業績見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は44円安となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大が続いていることでニューヨーク市長がロックダウンの可能性に言及したことで昨日の米国市場でダウ平均が反落となったことから売りが優勢となりました。こうしたなかで日本時間17日午前4時の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表や週末の日銀の金融政策決定会合の結果発表を控え様子見ムードも強く下げ幅を三桁に広げる場面もありましたが、下げ幅を縮め一時わずかにプラスに転じるなど押し目を拾う動きも相変わらずみられました。

なお、日本時間の22時30分には11月の米輸出入物価指数や12月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が、そして23時15分には11月の米鉱工業生産・設備稼働率が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)