今週は日銀短観、FOMC、日銀の金融政策決定会合と重要イベントはあるものの、2万7000円台を試すような展開にはなりにくい。FOMCでは何らかのアクションが取られるとの見方が市場にはある。最も確率が高いのは、購入する米国債の平均残存期間を長期化することだとされる。追加緩和はもちろん相場にポジティブだが、市場の予想の範囲内であればこのタイミングで一段の上値追いの材料にはならないだろう。

日銀短観でDIは改善する見込み。それでも海外の景況感の改善に比べて見劣りする。足元で過去最高に達しているコロナ感染者数の拡大が国内景気に懸念を与え、短観の改善は相殺されてしまうだろう。

海外の経済指標は、米国で16日のマークイット製造業PMI、17日のフィラデルフィア連銀製造業景況指数などが注目だ。

このところ相場の上値が重いのは、需給の要因かもしれない。米国では9日にニューヨーク証券取引所に上場した料理宅配大手ドアダッシュや、10日にナスダックに上場した民泊仲介サイトのエアビーアンドビーが話題を呼んだが、日本でも今月の上場社数は26社に上り、12月としては2014年の28社以来の高水準だ。

今週に限れば12社が上場する。16日に東証1部に再上場するローランドは公開価格が1株3,100円。9月に上場した雪国まいたけに次ぐ規模の見込み。同じく16日のバルミューダ(マザーズ)、Fast Fitness Japan(マザーズ)などは知名度も高く注目だ。5件ものIPOが集中する17日は新興市場を中心に波乱を警戒したほうがいいだろう。

今週の予想レンジは2万6300円~2万7000円とする。