東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて小幅に反落となりました。日経平均は129円安の26,688円で寄り付くと取引開始から5分で177円安の26,639円まで下落しましたが、持ち直すと10時20分過ぎに73円安の26,744円まで下げ幅を縮め88円安で前場を終えました。104円安の26,713円でスタートした後場の日経平均は13時頃から下げ幅を縮めると13時30分過ぎにプラスに転じ13時50分過ぎに34円高の26,852円にまで上昇しました。しかし、まもなくして下落に転じるとその後は小幅安で推移し結局61円安の26,756円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が後場に一段高となり年初来高値を更新し、日経平均を1銘柄で176円押し上げました。出資する食事宅配大手のドアダッシュ(DASH)がニューヨーク証券取引所に上場し公開価格を8割以上上回って取引を終えるなか含み益が100億ドルを超える規模に膨らんだもようだと伝わったことや、昨日に時間をかけて自社株を買い戻しMBO(経営陣が参加する買収)を実現するとの新戦略を協議していると伝わったことが引き続き材料視され10.9%高となりました。

三井金属鉱業(5706)も6.0%高となり年初来高値を更新しました。トヨタ自動車(7203)が全固体電池の搭載車を2020年代前半に販売する方針で、三井金属鉱業が電池の電流の流れを左右する固体電解質と呼ばれる素材の生産に乗り出すと報じられたことで注目を集めました。また、エーザイ(4523)もアルツハイマー型認知症の治療薬を厚生労働省に新薬承認申請を出したと発表したことで2.1%高となっています。

一方で昨日の米国市場で半導体株が売られた流れを受けて日本市場でも半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が2.0%安となったほか、SCREENホールディングス(7735)も3.4%安、アドバンテスト(6857)も3.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は61円安となりました。昨日の米国市場が主力ハイテク株に利益確定の売りが出て反落となったことから下落となりました。しかし、5日移動平均線(26,667円)を小幅に下回ったところで押し目買いが入ると、ソフトバンクグループが後場に一段高となったことでプラスとなる場面もありました。年初来高値を更新した翌日で利益確定の売りが出やすいにも関わらず下げ渋り底堅さをみせたことで年末株高への期待が高まりそうです。

なお、日本時間の21時45分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されますが、追加の金融緩和が見込まれていることから注目されます。また、22時30分には米新規失業保険申請件数や11月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)