ホテル業界の常識を破壊したAirbnbが上場

本日12月10日、米民泊大手Airbnb(エアビーアンドビー)の新規株式公開(IPO)が予定されています。米国ではウーバー(ティッカー:UBER)がタクシー業界をディスラプト(破壊)したように、ホテル業界の常識をディスラプトしたのがAirbnbです。

Airbnbは個人が所有する住宅や別荘などの部屋を貸したい人と、部屋を借りたい人をつなぐプラットフォームを提供しています。日本でも同様のビジネスモデルは数年前から民泊と呼ばれ、個人が外国人旅行者を相手にした宿泊施設を開設するなど浸透してきています。

バフェットも注目するAirbnbのビジネス

Airbnbのコンセプトを作った同社の現CEOであるブライアン・チェスキー氏は、2017年にウォーレン・バフェット氏とランチを共にしています。

バフェット氏はこのランチで、「チェスキー氏のAirbnbに対する熱意に感動した」と発言したことが報道されています。

世界中からバフェット氏のファンが集まる、バークシャー・ハサウェイの株主総会が開催される期間はいつも、開催地オマハのホテル料金が高騰し、部屋が完売になる状況です。そこで、バフェット氏は2014年の同社のアニュアルレポートの中で同社の株主総会でオマハを訪れる際には、最短宿泊期間の縛りがないAirbnbに宿泊することを勧めていました。

またバフェット氏は、2015年の米フォーチュン誌のインタビューの中で、「自分がなぜAirbnbのビジネスを思いつかなかったのかを後悔している」と発言しています。

IPO時のバリュエーションは?

2020年はコロナ禍の影響で、世界的に旅行者が減少しましたが、新型コロナワクチン接種の見通しも立ち始め、旅行関連株に再び注目が集まっています。

実際、2019年に約3.2兆円あったAirbnbのバリュエーションも、コロナ禍の2020年4月には1.9兆円まで落ち込みました。それが12月に入るとAirbnbの評価は3.6兆円まで回復しました。上場を目前に控え、新型コロナワクチン承認のニュースが出るなか、AirbnbのIPOは470億ドル(約4.9兆円)程度のバリュエーションで上場されそうです。

Airbnbは前述の通り本日12月10日、ナスダックに上場し、ティッカーはABNBとなる予定です。