東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに反発しました。日経平均は59円高の26,526円でスタートすると寄り付きをほぼ安値に大きく上げ幅を広げ取引開始から50分余りで329円高の26,796円まで上昇し276円高の26,743円で前場を終えました。263円高でスタートした後場の日経平均はまもなくして359円高の26,826円まで上昇し本日の高値を付けるとその後も高値圏で堅調に推移し結局350円高の26,817円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が5.6%高となり日経平均を1銘柄で85円余り押し上げました。ソフトバンクグループが段階的な自社株買いで非公開化を目指す新たな戦略を議論していると伝わったことで後場に入って上げ幅を大きく広げました。
また、東京都が国に先行して2030年までに都内で販売される新車すべてをハイブリッド車や電気自動車などの電動車に切り替える方針を示したことを受けて電気自動車の販売で先行する日産(7201)も6.8%高となりました。電気自動車向け放熱材料を手掛けるデンカ(4061)や急速充電器の東光高岳(6617)も高く、デンカが4.0%高、東光高岳も11.2%高となりともに年初来高値を更新しています。美容健康機器を手掛けるヤーマン(6630)も7.1%高となり年初来高値を更新しました。美顔器など自社製品の販売を国内外で伸ばし2023年4月期にも営業利益を今期見通し比72%増の100億円に増やす計画と報じられたことが好感されました。
さらにコスモス薬品(3349)が11月の既存店売上高が前年同月比7.8%増となったことで3.2%高となったほか、半導体製造装置のレーザーテック(6920)も投資判断や目標株価の引き上げが相次いだことで一時7.6%高まで上昇し上場来高値を更新しています。
一方で東京ドーム(9681)が4.4%安となりました。大株主である香港ファンドのオアシス・マネジメントがTOB(株式公開買い付け)価格の引き上げに動くのではとの見方もあったなかで、三井不動産(8801)がオアシス・マネジメントがTOBに同意したと発表したことでTOB価格にさや寄せする格好で下落しました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は350円高となりました。英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったことでワクチン普及への期待が高まり昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから大幅高となりました。3日に付けた年初来高値(26,809円)を4営業日ぶりに更新しましたが、一時8%まで広がっていた25日移動平均線との乖離率が昨日時点で3%まで低下していたこともあって買いが入りやすかったともいえます。スピード調整が一巡し過度な過熱感が後退したということもあって年末株高への期待が一段と高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)