ついに今週から12月に入り、2020年も残すところ1ヶ月を切りました。そうしたなか、引き続き日経平均株価の上昇が続いています。
前回は新たな窓が2つ発生しましたが、このとき発生した窓を埋めることなく、上昇が続いています。
それでは、前回を振り返りつつ、今後の動向について考えていきたいと思います。
前回の振り返り
前回コラムでは、新たに発生した2つの窓をコモンギャップと判断し、「5日移動平均線上を維持するようですと、高値更新が続き、26,500円越えが視野に入ってきそうです」としました。
こちらで指摘した通り、上向きの5日移動平均線上を維持したことから、株価水準が切り上がり、12月1日には終値ベースで26,787円をつけ、1991年4月以来の高値水準をつける結果となりました。
ただ上昇スピードの早さに対する警戒感もあります。
例えば、11月30日に窓をあけて26,800円台に乗せて始まりましたが、売り物におされて陰線の包み足を形成するなど、トレンド転換の兆しが出ておりました。そうしたものの、上向きの5日移動平均線がサポートになって株価を支える結果となりました。
そして翌営業日の12月1日には、前述のように26,800円こそ終値では達成できませんでしたが、27,000円が視野に入る水準まで上昇する結果となっています。
そうしたなか、今回は上方向に窓が発生していないことから、株価と5日移動平均線の価格差が少しずつ縮まってきているように思われます。
今後の動向について
そこで今後の展開についてですが、引き続き上向きの5日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントになると思われます。
仮に株価が5日移動平均線上を維持したり、割り込んだりしても、5日移動平均線が上向きを続けるなか、11月17日から24日までの値動きのように下げ止まって5日移動平均線上を回復するようですと、今度は27,000円台が視野に入ってくると思われますので要注目です。
一方で、12月1日の株価水準のまま5日移動平均線を割り込んでしまった場合、下げ止まって短期間で反発するような値動きにはならないかもしれません。
なぜなら、終値と5日移動平均線の価格差が縮まってきていることに加え、5日移動平均線の上昇角度が緩やかになってきているからです。
そのため、仮に5日移動平均線を割り込んでしまうようですと、5日移動平均線が下向きに変化することが考えられ、今度は上値の抵抗になってしまうことも考えられます。
また、5日移動平均線が上値の抵抗になってしまった場合、売り圧力が強まり、まだ埋まっていない窓を埋めるような反落が発生することも考えられます。
そのため、今度5日移動平均線を下回ったときには、慎重に対応するようにしたいところです。