日経平均株価の上昇が止まりません。10月30日に安値をつけましたが、その後11月2日と翌営業日の4日のあいだに窓をあけたあと、上昇が続いています。
前回コラムでは、11月13日と翌営業日の16日のあいだに発生した新たな窓について解説しましたが、その後の反落でこの窓が埋まり、下落基調になるのではないかと考えられました。しかし、今週に入って週初から思わぬ展開となっています。その辺りについて前回を振り返りながら解説したいと思います。
前回の振り返りと窓埋め
前回コラムでは、「5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったりするようですと、これまでの上昇の反動で11月に入って発生した3つの窓をすべて埋めることも考えられます。そのため、相場動向を注視して高値掴みや売りそびれることがないよう注意したいところです」としました。
こちらについて、11月19日に小さな窓をあけて5日移動平均線を割り込んだところまでは指摘した通りとなり、翌20日も下落が続きました。
注目したい5日移動平均線の向き
ただ、ここで注目しておきたいのが5日移動平均線の向きです。5日移動平均線を割り込んだあと、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になっていれば、下落が続いたのではないかと思われます。しかし実際には、5日移動平均線を割り込んでから2営業日が過ぎても、5日移動平均線が緩やかな上向きを継続していたのです。
そうしたなか、3連休明けの東京市場で窓をあけて上昇すると同時に、5日移動平均線を上回って始まったことから、5日移動平均線の上向きが継続して終える結果となっています。
このように、株価が5日移動平均線を割り込んでも、5日移動平均線の向きが下向きに変化しない中で、11月24日のように大きな窓をあけてスタートすると、5日移動平均線の上向きが継続することになり、結果的にそれが株価のサポートになっていたことが分かります。
新たに発生した窓はどの種類?
では、今回発生した窓はどの種類と考えればよいのでしょうか。大きな窓を形成していますが、直近の値幅の範囲内で発生していることを考えますと、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと思われます。
仮にコモンギャップだとした場合、上昇が止まったり、5日移動平均線を割り込んで5日移動平均線が下向きに変化したりするようですと、窓を埋めることが視野に入ってきます。そして同時に、25日移動平均線辺りまでの下落も考えられるのではないかと思われます。
一方で、5日移動平均線上を維持するようですと、高値更新が続き、26,500円越えが視野に入ってきそうです。
それにしても日経平均株価の窓の発生頻度の高さには驚かされます。この機会に窓についての判断や考え方をしっかりと身につけるようにしたいところです。