【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  29,591.27   △327.79  ( 11/23 )
NASDAQ:  11,880.63   △25.66  ( 11/23 )

1.概況

先週末の米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて景気回復が遅れるとの懸念が強まり反落となりました。45ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくして180ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、取引終盤に下げ幅を広げ252ドル安まで売られると結局219ドル安の29,263ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント安の11,854ポイントとなっています。

昨日の米国市場は英製薬アストラゼネカが共同開発する新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で高い有効性を確認したと発表したことでワクチン普及への期待が高まり反発となりました。69ドル高でスタートしたダウ平均は310ドル高余りまで上昇した後一旦上値が伸び悩み昼前に90ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、米大統領に就任する見通しのバイデン前副大統領が財務長官にイエレン元米連邦準備理事会(FRB)議長を起用する方針と伝わると取引終盤に一段高となり一時は404ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅をやや縮めたダウ平均ですが結局327ドル高の29,591ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も25ポイント高の11,880ポイントとなっています。

2.経済指標等

昨日発表の11月の米製造業PMIは56.7と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでも情報技術が1%余り下落したほか、資本財・サービスと金融も1%近く下げました。昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、エネルギーが7%余り上昇したほか、金融と資本財・サービスも1%以上上げました。一方で不動産やヘルスケアなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が3%近く下落したほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)も2%を超える下げとなりました。ビザ(V)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、ウォルマート(WMT)、ダウ(DOW)、アップル(AAPL)も1%以上下落しています。一方で増配を発表したナイキ(NKE)が1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなかビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が6%余り上げています。

昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上げました。そのなかでもシェブロン(CVX)が6%余り上昇したほか、欧州航空安全機関が運航停止中の737MAXの安全性に前向きな評価を示したことでボーイング(BA)も6%近く上げました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げています。一方でiPhoneの販売が市場予想ほど伸びないとの見方を受けてアップル(AAPL)が3%近く下げたうえ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%安となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、目標株価の引き上げを受けて電気自動車のテスラ(TSLA)が6%を超える上昇となりました。写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)も動画共有機能を導入すると発表したことで2%以上上昇し上場来高値を付けています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い0.82%となりました。昨日の長期金利は0.03%高い0.85%となりました。ドル円は104円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日の米国市場が反発となったことから大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の26,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)