【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27,847.66  △367.63 (11/4)
NASDAQ: 11,590.78  △430.21 (11/4)

1.概況

米国市場は上院で共和党が予想以上に健闘し過半数を維持するとの観測が強まるなか民主党が掲げてきた規制強化などの政策リスクが後退するとの見方からハイテク株やヘルスケア株が買われ3日続伸となりました。32ドル高でスタートしたダウ平均は大きく上げ幅を広げ昼過ぎに821ドル高まで上昇するとその後伸び悩み上げ幅を縮めましたが結局367ドル高の27,847ドルと大きく上昇して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も430ポイント高の11,590ポイントとなり4%近い上昇となっています。

2.経済指標等

10月の米ADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は36万5000人増に止まり市場予想を下回りました。10月の米ISM非製造業景況感指数も56.6と前月から低下し市場予想を下回っています。また、9月の米貿易収支の赤字額は前月比4.7%減の639億ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げヘルスケアとコミュニケーション・サービスが4%を超える上昇となったほか、情報技術と一般消費財・サービスも3%以上上げています。一方で4業種が下げ、素材と公益事業、金融が1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

規制強化などの政策リスクが後退するなか医療保険大手のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が10%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で220ドル余り押し上げました。メルク(MRK)とアムジェン(AMGN)も4%を超える上昇となっています。また、ハイテク株も高くフェイスブック(FB)が8%以上上げたほか、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も6%余り上昇しています。マイクロソフト(MSFT)とアップル(AAPL)も4%以上上げました。半導体株も高く投資判断の引き上げを受けてアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%以上上げました。時間外では決算が大幅な増収増益となったクアルコム(QCOM)が大きく上げています。さらにカリフォルニア州での住民投票を受け運転手を従業員として扱うよう求めてきた州法が見直されることになったことで配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)とリフト(LYFT)が急伸し、ウーバーテクノロジーズが14%以上上げ、リフトも11%を上回る上昇となりました。

一方でキャタピラー(CAT)が7%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったうえ、ダウ(DOW)も4%を超える下落となりダウ平均構成銘柄でキャタピラーに次ぐ下落率となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.14%低い0.76%となりました。ドル円は104円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の24,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)