【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28,363.66 △152.84 (10/22)
NASDAQ: 11,506.01 △21.31 (10/22)
1.概況
米国市場は民主党のペロシ下院議長が追加の経済対策について合意がもうすぐだと述べたと伝わったことで経済対策への期待が高まったことや、市場予想を上回る経済指標が相次いだことも好感され反発しました。ダウ平均は13ドル安でスタートするとまもなくして170ドル安まで下げ幅を広げましたが、持ち直すとプラスに転じ午後に入って上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に210ドル高まで上昇する場面もあったダウ平均は結局152ドル高の28,363ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も21ポイント高の11,506ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5万5000件減の78万7000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、9月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比9.4%増の654万戸となり市場予想を上回りました。さらに9月の米景気先行指標総合指数も前月比0.7%上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが4%以上上昇したほか、金融も2%近く上げました。また、ヘルスケアと公益事業も1%を超える上昇となっています。一方で不動産と情報技術、生活必需品の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が3%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)も3%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄でシェブロンに次ぐ上昇率となっています。また、ダウ平均構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス(AXP)とボーイング(BA)も3%を上回る上昇となったほか、決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったコカ・コーラ(KO)も1%以上上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回ったAT&T(T)が6%近く上げました。一方で取引終了後に決算を発表したインテル(INTC)は収益をけん引してきたデータセンター向けCPUの売上高が減ったことが嫌気され時間外で急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い0.86%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の午前10時から米大統領候補であるトランプ大統領と民主党のバイデン氏による討論会が行われる予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)