東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。日経平均は48円高の23,567円で寄り付くと取引開始から20分余りで135円高の23,702円まで上昇すると10時30分過ぎに44円高の23,611円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと109円高の23,676円で前場を終えました。112円高の23,679円でスタートした後場の日経平均は後場寄りを高値にその後伸び悩むと大引け間際に66円高の23,633円まで上げ幅を縮め結局72円高の23,639円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。また、本日の商いは低調で東証1部の売買代金は1兆8718億円となりました。

2.個別銘柄等

ニトリホールディングス(9843)が一時2.7%高まで買われる場面がありました。ホームセンター大手の島忠(8184)の買収を検討していることが分かったとの報道を受けて買いが先行しました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮め下落に転じ引けは1.6%安となっています。島忠はホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)が完全子会社化に向けてTOB(株式公開買い付け)を実施中で、ニトリホールディングスとDCMホールディングスの間で買収合戦に発展することも予想されることから急伸し14.5%高となっています。一方でDCMホールディングスはTOBの不成立が警戒され6.8%安となっています。また、業績予想の上方修正を受けてローム(6963)やタカラバイオ(4974)が買われました。ロームは自動車向けの生産が回復していることや巣ごもりやテレワーク関連の需要が拡大していることから上期の営業利益の見通しを70億円から126億円に引き上げたことで4.8%高となり、タカラバイオも新型コロナウイルス感染症拡大によるPCR検査関連製品の需要増などにより上期の営業利益を25億円から38億円強まで引き上げたことで5.4%高となっています。さらに国内大手証券が目標株価を引き上げたことで日本製鋼所(5631)も7.4%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は72円高となりました。追加の米経済対策成立や新型コロナウイルスワクチンへの期待が高まったことで昨日の米国市場が反発したことから買いが優勢となりました。しかし、一時は23,700円台を付けましたが、上げ幅を縮めると昨年末の終値(23,656円)を引けで上回ることができませんでした。日経平均は昨年末の終値を超えてくると上値が重くなる展開が続いていますが、こうしたなかで昨年末の終値を超えて買い上がるような動きが明日以降みられるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、米国では決算発表が本格化していますが21日もベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)やテスラ(TSLA)、ザイリンクス(XLNX)、バイオジェン(BIIB)、ラムリサーチ(LRCX)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)