東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに小幅に反発しました。日経平均は109円高の23,667円と本日の高値で寄り付くと朝方の買いが一巡するなか上げ幅を縮め9時40分過ぎに下落に転じると10時40分過ぎに67円安の23,490円まで下落し32円安で前場を終えました。プラスに転じ12円高の23,571円でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに56円高の23,614円まで上昇し23,600円台に乗せると結局43円高の23,601円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、本日も商いは低調で東証1部の売買代金は1兆8405億円となっています。

2.個別銘柄等

ファナック(6954)が4.2%高となりました。昨日の夕方に発表となった9月の工作機械受注額は前年同月比15.0%減となったものの、8月の23.2%減から減少幅が縮小し回復傾向が確認されたことでファナックが買いを集めました。ヨンドシーホールディングス(8008)も5.5%高となりました。昨日の引け後に発表した決算で上期の営業利益が会社計画を上回って着地したほか、自社株買いを発表したことも好感されました。コーナン商事(7516)も3.0%高となりました。昨日の引け後に発表した上期決算で年間配当を前期に比べ4円増やし58円にすると公表したことが好感されました。また、今晩の米国でアップル(AAPL)が特別イベントの開催を予定するなかサプライヤーである村田製作所(6981)や太陽誘電(6976)が買われました。村田製作所と太陽誘電が揃って3.9%高となりともに年初来高値を更新しています。一方で独立行政法人の地域医療機能推進機構発注の医薬品を巡る談合疑惑で東京地検特捜部と公正取引委員会が医薬品卸大手4社を独占禁止法違反容疑で家宅捜索したと報じたことでメディパルホールディングス(7459)が一時3.2%安まで下落したほか、アルフレッサホールディングス(2784)も一時5.6%安となりました。スズケン(9987)も一時3.6%安となり、東邦ホールディングス(8129)も一時2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は43円高となりました。昨日の米国市場がハイテク株や金融株に買いが入り続伸となったことで買いが優勢となりました。しかし、寄り付きを高値に上げ幅を縮めると下落に転じる場面もありました。先週末もそうだったように昨年末の終値の水準(23,656円)を上回ってくると上値が重くなるようです。なお、小売企業の上期決算発表が本格化していますが本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)や高島屋(8233)などが決算を発表する予定です。また、米国でも決算発表がスタートし13日はJPモルガン・チェース(JPM)やシティグループ(C)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などが決算発表を予定しています。さらに日本時間の14日午前2時からはアップルが特別イベントを開く予定で高速通信規格の5G対応のiPhoneを発表するとみられています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )