歴史的に冴えない9月を終えた米国株
歴史的にも9月はパフォーマンスの冴えない月と言われていますが、 2020年も歴史は繰り返されました。2020年9月のS&P500指数は3.9%下落、ナスダック総合指数も5.2%下落し1ヶ月を終えています。
米国現地時間9月29日火曜日に行われた大統領候補によるテレビ討論会は、非難や中傷の応酬でたびたび中断され、米国メディアによると「ひどい討論会」であり、過去40年間大統領討論会を見てきたという米国ABCニュースのコメンテーターによると、 今までで「最悪の討論会であった」と評論しています。しかし、株式市場の方は討論会の結果を気にした様子はなく、討論会の翌日のS&P500指数は0.83%上昇して終わりました。
月が替わり10月に入ってから初日のS&P500は0.53%上昇、ナスダック総合も1.42%上昇と好調なスタートを切ったかのように見えたのですが、日本時間10月2日金曜日の午後にはトランプ大統領とメラニア夫人が新型コロナウイルスに感染したというニュースが流れ、米国株先物が大きく売られるという展開となりました。しかも、この第一報について世界はトランプ大統領自身からのツイートによって知らされることとなりました。
このニュースを受け、10月最初の2日間でみるとS&P500指数は0.43%下落、ナスダック総合指数も0.83%下げましたが、先週1週間では、S&P500指数は1.52%の上げ、ナスダック総合指数も1.48%上昇しました。
トランプ大統領は、入院中にもかかわらず彼の日課であるツイートを忘れてはいません。日本時間10月5日の月曜日の早朝にも自分のツイッターのアカウントで、「病院の前に来てくれたファンやサポーターの皆に感謝します」とメッセージを送っていますし、今回の件で自分に対する同情する投票者が増えているという新聞記事を紹介するなど、入院先の病院のベッドから引き続き選挙運動を行っています。米国時間10月4日の日曜日(日本時間日曜日深夜)には、ホワイトハウスの医師は、トランプ大統領は早ければ(米国時間の)月曜日には病院を退院し、ホワイトハウスへ戻れるだろうとコメントしています。
米国市場はIPOラッシュ
先週の米国株式市場ではIPOラッシュとなっており、合計29の企業が新規上場を行っています。今年に入ってから米国株市場では800億ドル(約8.4兆円)の資金調達が行われており、投資家の新しい企業に対するアペタイトが強いこと、また、膨大な株式の供給を買い上げる旺盛な資金もあることも今のマーケットの特徴だと思います。
10月は大統領候補のテレビ討論会と第3四半期決算に要注目
投資家が気にするイベントが多いため、10月の米国株市場は忙しい月となりそうです。
大統領選挙がらみでは10月7日には副大統領候補によるテレビ討論会が、また10月15日、22日には第2回 、第3回目の大統領候補テレビ討論会が行われる予定となっています。
それに加え今月は米国企業による第3四半期の決算発表が始まります。
今週はS&P500指数採用銘柄のうち5社による決算発表が予定されていますが、 来週には31社、その翌週は111社とアクセルがかかってきます。
3ヶ月前の第2四半期の決算発表は前年同期比で31.3%の減益でしたが、現時点での第3四半期については同21.6%の減益の予想となっています。