【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27,682.81 ▼134.09 (10/2)
NASDAQ: 11,075.02 ▼251.49 (10/2)
1.概況
先週末の米国市場はトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が判明したことで大統領選への影響を懸念した売りが出て3日ぶりに反落しました。ダウ平均は280ドル安でスタートすると取引開始直後に433ドル安まで下落しましたが、民主党のペロシ下院議長の発言を受けて与野党が協議中の追加の経済対策合意への期待が高まり持ち直すと昼過ぎにプラスに転じました。しかし、44ドル高で上値が伸び悩むと引けにかけて売りが優勢となり結局134ドル安の27,682ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も251ポイント安の11,075ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は66万1000人増に止まり市場予想を下回りました。失業率は前月から0.5ポイント低下の7.9%となり市場予想を上回る改善となっています。また、9月の米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値も80.4と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。8月の米製造業受注は前月比0.7%増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、不動産と公益事業、資本財・サービスが1%以上上昇しました。一方で5業種が下げ、情報技術が2%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスも2%近く下げています。
4.個別銘柄動向
電気自動車のテスラ(TSLA)が7%以上下げました。7-9月期の販売台数は四半期ベースで過去最高となったものの、市場予想を下回ったことが嫌気されました。また、主力ハイテク株に売りが出るなか動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%を超える下落となり、アップル(AAPL)も3%以上下げました。マイクロソフト(MSFT)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%近く下落し、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とフェイスブック(FB)も2%以上下げています。
一方で民主党のペロシ下院議長が航空業界向けの政府支援延長で合意が近いと述べたことでアメリカン航空グループ(AAL)が3%以上上げたほか、デルタ航空(DAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も2%以上上昇しています。さらに通信ソフトのトゥイリオ(TWLO)が米証券取引委員会(SEC)への届け出で7-9月期の売上高が会社予想を上回ったもようだと明らかにしたことで13%近く上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い0.70%となりました。ドル円は105円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均の下げが想定ほど大きくなかったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(先週末時点で23,263円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)