東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は下落しました。58円安の23,416円で寄り付いた日経平均は9時20分過ぎに150円安程度まで下落した後一旦10時30分頃に50円安程度まで戻しましたが、再び下げ幅を広げると174円安の23,301円で前場を終えました。178円安でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に203円安の23,272円まで下落し本日の安値を付けましたが、その後持ち直し23,300円台前半で推移すると結局156円安の23,319円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

アスクル(2678)が急伸し10.1%高となり年初来高値を更新しました。昨日の取引終了後に発表した2021年5月期の第1四半期の決算で営業利益が新型コロナウイルスの影響で医療機関や中小企業向け医療用品が伸びて第1四半期として過去最高となったうえ、通期の業績予想を上方修正し営業利益が減益予想から一転して増益予想となったことで買いを集めました。カタログ通販の千趣会(8165)も20.3%上昇しストップ高となりました。EC事業と会員基盤の強化を目的としてJR東日本(9020)と資本業務提携を行うと発表したことが好感されました。一方でJR東日本は4.7%安となりました。今期の最終損益が国鉄民営化以降で初の赤字となりそうだと発表したことが嫌気されました。同じく今期の業績予想を発表したJR西日本(9021)も最終損益が民営化以降で最大の赤字になる見込みとなったことで5.6%安となりました。JR東海(9022)とJR九州(9142)も連れ安し、JR東海が4.1%安、JR九州が2.9%安となっています。

また、投資判断や目標株価の変更に大きく反応したのがアルバイト情報サイトのバイトルを運営するディップ(2379)や味の素(2802)で、ディップは国内大手証券が目標株価を引き下げたことで4.3%安となりました。反対に味の素は外資系証券の投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.1%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は156円安となりました。一時104円台後半まで進んだ円高が重石となり下落してスタートすると米株価指数先物が大幅安となったことで下げ幅を広げました、こうしたなか明日以降も下落が続いた場合には25日移動平均線(23,202円)を維持できるかがポイントとなりそうで、反対に反発となった場合には昨日に上値を押さえられた節目の23,500円を超えられるかが焦点となりそうです。なお、本日は日銀の金融政策決定会合の結果が昼前に発表されましたが、予想通り金融政策に変更がなかったことから市場の反応は限定的でした。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や8月の米住宅着工件数、9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)