【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27,995.60 △2.27 (9/15)
NASDAQ: 11,190.32 △133.67 (9/15)
1.概況
米国市場は米中の経済指標の改善を好感して続伸となりました。146ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして237ドル高まで上昇しましたが、徐々に上げ幅を縮めるなか新製品発表会で新型iPhoneの発表を見送ったことが嫌気されアップル(AAPL)が下げに転じると取引終盤にマイナスとなりました。しかし、61ドル安で下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局2ドル高の27,995ドルと小幅に3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も133ポイント高の11,190ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は17.0と前月から大きく上昇し市場予想も上回りました。また、8月の米輸入物価指数も前月比0.9%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も0.5%上昇し市場予想を上回っています。一方で8月の米鉱工業生産は前月比0.4%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率は71.4%と前月から上昇し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、コミュニケーション・サービスと不動産、一般消費財・サービス、情報技術が1%以上上昇しました。一方で金融とエネルギー、生活必需品の3業種が下げ、金融が1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
貸倒引当金を積み増す可能性に言及したことでシティグループ(C)が7%近く下落しました。銀行株全体に売りが広がりJPモルガン・チェース(JPM)も3%以上下げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も2%近く下落しました。また、クルーズ船大手のカーニバル(CCL)が6-8月期の赤字見通しが市場予想を上回ったことで急落し11%近く下げています。
一方で主力ハイテク株が堅調で電気自動車のテスラ(TSLA)が7%余り上げたほか、動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%以上上昇しました。半導体大手のクアルコム(QCOM)も3%近く上げています。さらに電力のネクステラ・エナジー(NEE)が2021年12月期の1株利益見通しを上方修正したことなどで5%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い0.68%となりました。ドル円は105円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)