東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は利益確定の売りに押され下落しました。日経平均は120円安の23,438円で寄り付くと下げ幅を広げ10時前に207円安の23,351円まで下落しましたが、下げ幅を縮め132円安の23,427円で前場を終えました。

前引けとほぼ変わらずでスタートした後場の日経平均は後場寄り後まもなくして150円安の23,409円まで下げ幅を広げた後14時過ぎに81円安の23,477円まで持ち直しましたが、その後再び下げ幅を三桁に広げると結局104円安の23,454円で取引を終えています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソニー(6758)が一時3.5%安まで下落する場面がありました。上昇して始まりましたが、年内に発売する次世代ゲーム機のプレイステーション5の2021年3月期の生産台数を400万台下方修正し約1100万台と想定していると伝わったことで9時40分過ぎに下落に転じ下げ幅を広げました。引けは2.4%安となっています。反対に一時1.2%高となるなど任天堂(7974)は買いが優勢でした。家庭用ゲーム機のニンテンドースイッチの2020年度の生産台数が2500万台と当初計画の2割増になり過去最多になると伝わったことが好感されました。引けは0.8%高となっています。

また、くら寿司(2695)が3.9%高となりました。昨日の取引終了後に発表した決算で第3四半期9カ月間累計の営業損益が14億円を上回る赤字となったことで下落して寄り付きましたが、第3四半期3カ月間でみると10億円弱の赤字で、第2四半期3カ月間の17億円弱の赤字から赤字幅が縮小していることが評価され10時20分過ぎに上昇に転じると上げ幅を広げ一時は5.8%高まで上昇しました。

一方で国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことで横川電機(6841)が一時4.2%安まで売られました。引けは2.3%安となっています。ローソン(2651)も国内大手証券が目標株価を引き下げたことを受けて2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は104円安となりました。昨日の米国市場は大幅高となりましたが、昨日に節目の23,500円を回復したことや、3日間で520円以上上昇していたこともあって利益確定の売りが出て下落しました。しかし、三桁の下落となったものの5日移動平均線(23,337円)を割り込むことなく下げ幅を縮める展開となったことから底堅かったとみることもできそうです。

なお、今晩の米国では9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数や8月の米鉱工業生産などの経済指標の発表があるほか、アップル(AAPL)が特別イベントをオンラインで開く予定で5G対応のiPhoneなどを発表するとみられていることから注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )