今回は、前回コラムで指摘したことを振り返りながら、今後の動向について考えてみたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤丸=埋まっていない窓

先週の振り返り

前回コラムでは「8月25日の高値を終値で更新するまで、もち合いが続くのではないかと思われますので、売買タイミングには注意が必要です。一方で、上下どちらかに窓が発生した場合でも、トレンド発生を示唆する窓なのかどうかに注意し、高値掴みにならないことや、安値で売ってしまうことがないよう注意する必要があると思われます」と指摘しましたが、9月2日には明確に5日移動平均線を上回っていることが分かります。

新たに2つの窓が発生

また、9月3日には窓をあけて上昇して始まり、終値ベースで8月25日の高値を上回って終える結果となりました。

ただ残念なことに、9月4日には下方向に窓をあけて反落すると同時に、5日移動平均線を下回って推移し、9月8日にようやく5日移動平均線を上回って終えているのが分かります。

このように、窓が同じ水準で連続して発生してしまう場合、ここで発生した2つの窓は、どの窓と考えればよいのでしょうか。私の考えですが、この窓は2つともコモンギャップ(=普通の窓)と考えるのが妥当ではないかと思います。

なぜなら、過去に遡ってみると、今回の窓を開けた水準(23,500円台)は、2020年2月の株価水準であり、過去の値幅の範囲内と考えられるからです。

また、9月3日の高値が2月21日の高値(23,588円)に迫っていたことも、上方向に放れることができなかった要因ではないかと思われます。

こうしたことに気づいていれば、高値掴みを避けることができたのではないでしょうか。

週末のメジャーSQ前後の動向について

では、今後の動向についてですが、今週末は3ヶ月に1回やってくるメジャーSQが予定されています。

ですので、これまでと同様に5日移動平均線上を維持できるかに加え、週末の取引開始時に算出されたSQ値を、日経平均が終値で上回ることができるのかどうかに注目する必要があると思います。

なぜなら、一般的には、今週末のメジャーSQを境に、日経225(またはTOPIX)先物や日経225オプションのポジションがリセットされ、新たなポジションが作られることになるからです。

仮にSQ値を上回って推移するようですと、上昇を予想したポジションが形成され、9月2日から4日にかけて連続してあけた窓を埋めることが期待されるほか、9月3日の高値を更新することも視野に入ってきます。

その反面、SQ値を終値で下回って推移するようですと、下落を予想したポジションが形成され、200日移動平均線辺りまでの下落も考えられるため、週末のSQ値とその後の動向には注意しておく必要があると思われます。

果たして週末以降、株価が上下どちらに動くことになるのか、それとももち合いが続くのか、目が離せない1週間となりそうです。