【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28,292.73 ▼807.77 (9/3)
NASDAQ: 11,458.10 ▼598.34 (9/3)
1.概況
米国市場はハイテク株に利益確定の売りが出て大幅反落となりました。ダウ平均は朝方に100ドル高近くまで上昇する場面もありましたが、まもなくして売りが優勢になると急速に下げ幅を広げる展開となりました。昼前に800ドル安余りまで下落した後一旦下げ渋りましたが、午後に入って再び下げ幅を広げると取引終盤には1,025ドル安まで下落する場面もありました。その後ダウ平均は引けにかけてやや戻したものの結局807ドル安の28,292ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も598ポイント安の11,458ポイントと5%近い下げとなり5日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
8月の米ISM非製造業景況感指数は56.9と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は88万1000件と前週から13万件減少し市場予想を上回る改善となりました。また、4-6月期の米労働生産性指数改定値も年率換算で前期比10.1%上昇し市場予想を上回りました。7月の米貿易収支の赤字額は前月比18.9%増の633億ドルとなり2008年7月以来12年ぶりの大きさとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術が6%近く下落したほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも3%以上下げました。また、資本財・サービスと素材、ヘルスケアも3%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とアメリカン・エキスプレス(AXP)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもアップル(AAPL)が8%安となったほか、マイクロソフト(MSFT)も6%余り下げました。また、ホーム・デポ(HD)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も4%以上下げ、アムジェン(AMGN)も4%近く下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が利益確定の売りで9%安となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も5%余り下げています。アマゾン・ドット・コム(AMZN)と動画配信のネットフリックス(NFLX)も5%近く下げました。半導体株では画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が9%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も8%以上下落しました。クアルコム(QCOM)も5%を超える下げとなっています。一方でクルーズ船の運航を6日からイタリアで再開すると発表したカーニバル(CCL)が5%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い0.63%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)