【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  28,645.66   △215.61  ( 9/1 )
NASDAQ:  11,939.67   △164.21  ( 9/1 )

1.概況

米国市場は米ISM製造業景況感指数の改善を好感した買いや主力ハイテク株の一角が買われたことで上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が揃って史上最高値を更新しました。9ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に140ドル安近くまで下落しましたが、まもなくしてプラスに転じるとその後はじりじりと上げ幅を広げる展開となりました。引けにかけて一段高となったダウ平均は結局215ドル高の28,645ドルと高値圏で取引を終え反発となっています。

また、S&P500株価指数も26ポイント高の3,526ポイントと反発し8月28日に付けた史上最高値(3,508ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も164ポイント高の11,939ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

8月の米ISM製造業景況感指数は56.0と前月から改善し市場予想も上回りました。一方で7月の米建設支出は年率換算で前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、素材が3%近く上昇したほか、情報技術も2%近く上げました。また、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも1%余り上げています。一方で4業種が下げ、公益事業が1%以上下落し、ヘルスケアとエネルギーも1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

継続課金型の会員サービスを始めると発表したウォルマート(WMT)が6%以上上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しました。アップル(AAPL)も今秋に発売するiPhoneを少なくとも7500万台以上生産するように部品メーカーに依頼したと伝わったことで4%近く上げ上場来高値を更新しています。また、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)も決算が市場予想を大幅に上回る増収増益となったうえ、通期の業績見通しも引き上げたことで40%余り上げ上場来高値を付けています。

さらに画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も新しいゲーム用CPUを発売すると発表したことで3%以上上げ上場来高値を更新したほか、動画配信サービスのネットフリックス(NFLX)は世界の有料会員数が今後も大きく増えるとの指摘を受けて5%余り上げています。

一方で電気自動車のテスラ(TSLA)が最大50億ドルの新株を発行すると発表したことで4%を超える下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い0.67%となりました。ドル円は105円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)