【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  28,653.87   △161.60  ( 8/28 )
NASDAQ:  11,695.63   △70.30  ( 8/28 )

1.概況

先週末の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が物価上昇率の一時的な2%超えを容認する新しい政策指針を発表したことを好感した買いが続き上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を揃って更新しました。ダウ平均は109ドル高でスタートするとまもなくして下落に転じましたが、4ドル安で下げ渋ると上げ幅を広げ取引終盤には241ドル高まで上昇しました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局161ドル高の28,653ドルで取引を終え3日続伸となり、昨年末の水準(28,538ドル)を上回っています。

またS&P500株価指数も23ポイント高の3,508ポイントと7日続伸となり6日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も70ポイント高の11,695ポイントと反発し26日に付けた史上最高値(11,665ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

7月の個人消費支出(PCE)は前月比1.9%増となり市場予想を上回りました。米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想を上回りました。また、8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は74.1と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。一方で8月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は51.2と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが2%近く上昇したほか、素材も1%余り上げました。また、情報技術と生活必需品、資本財・サービスも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が上げました。そのなかでも事業部門を約半数に減らし米国の従業員を含む4000人の希望退職を募ると発表したコカ・コーラ(KO)が3%を超える上昇となったほか、ウォルマート(WMT)とエクソンモービル(XOM)、ビザ(V)、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)、インテル(INTC)も2%以上上げました。

一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とゴールドマン・サックス(GS)、トラベラーズ(TRV)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、人事ソフトのワークデイ(WDAY)が決算で売上高が市場予想を上回り、通期見通しを引き上げたことで急伸し12%以上上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%低い0.72%となりました。ドル円は円高が進み105円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。ドル円が円高に振れるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時に中国で8月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)