【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28,331.92 △83.48 ( 8/26 )
NASDAQ: 11,665.06 △198.59 ( 8/26 )
1.概況
米国市場はバイオ製薬のモデルナ(MRNA)の新型コロナウイルスワクチンの治験結果が好感されたほか、主力ハイテク株への買いが続き上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新しました。
9ドル高でスタートしたダウ平均は直ぐに下落に転じると94ドル安まで売られましたが、その後持ち直すと昼過ぎにプラスに転じ取引終盤には105ドル高まで上昇しました。結局ダウ平均は83ドル高の28,331ドルで取引を終え反発となっています。
また、S&P500株価指数が35ポイント高の3,478ポイントと5日続伸となり4日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も198ポイント高の11,665ポイントとなり5日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
7月の米耐久財受注額は前月比11.2%増となり市場予想を上回りました。また、民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は前月比1.9%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、コミュニケーション・サービスが4%近く上昇したほか、情報技術も2%余り上げています。また、一般消費財・サービスも1%を超える上昇となり、素材も1%近く上げました。一方で5業種が下げ、エネルギーが2%を上回る下落となり、公益事業も1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
主力ハイテク株に物色が向かうなかマイクロソフト(MSFT)が2%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、目標株価の引き上げを受けてアップル(AAPL)も1%を超える上昇となりました。
また、ネット通販事業の開始を好感した買いが続きフェイスブック(FB)が8%以上上げ、動画配信のネットフリックス(NFLX)も11%を上回る上昇となっています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを受けて6%以上上げ、IT大手のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)も決算が市場予想を上回ったことで3%を超える上昇となりました。
決算で売上高が市場予想を上回った顧客情報管理大手のセールスフォース・ドットコム(CRM)は目標株価の引き上げが相次いだことで急伸し26%高となっています。さらに新型コロナウイルスワクチンの治験で中高年層の被験者でも年齢が低い被験者と同等の効果が確認されたと発表したバイオ製薬のモデルナも6%以上上げています。一方で百貨店のノードストローム(JWN)が決算で1株損益の赤字額が市場予想より膨らんだことで5%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い0.69%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が小幅な上昇に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え様子見ムードの強い一日となりそうですが、こうしたなかで2兆円を割り込んでいる東証1部の売買代金に回復がみられるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)