東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は先週に大きく上げた反動で下落となりました。日経平均は99円安の23,189円で寄り付くと9時30分過ぎに40円安の23,248円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ10時前には201円安の23,087円まで下落ました。やや持ち直し144円安の23,145円で前場を終えた日経平均は175円安で後場をスタートさせると13時10分過ぎに220円安の23,068円まで下落し本日の安値を付けました。その後、日経平均はやや下げ幅を縮めたものの結局192円安の23,096円で取引を終えています。

こうしたなか商いは低調で東証1部の売買代金は1兆5014億円に止まっています。 また、新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇した一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

トランプ米大統領がアリババ集団(BABA)などより多くの中国企業に圧力をかけることを検討していると述べたと伝わったことでソフトバンクグループ(9984)が一時3.0%安まで下落しました。引けは1.4%安となっています。また、シチズン時計(7762)も先週末の取引終了後に発表した決算で2021年3月期の第1四半期の営業損益が赤字となったことで4.2%安となりました。第1四半期の経常利益が8割を超す大幅な減益となったスルガ銀行(8358)も3.6%安となっています。日本ペイントホールディングス(4612)は上期決算を発表し2020年12月期通期の営業利益の見通しを630億円から660億円へと引き上げましたが市場予想を下回ったことで5.0%安となりました。

一方で先週末に大戸屋ホールディングス(2705)と業務提携を発表したことで急伸したオイシックス・ラ・大地(3182)が本日も買いを集め19.5%上昇しストップ高となり連日で上場来高値を更新しました。先週末の引け後に発表した決算で第1四半期の営業利益が前年同期に比べ3.8倍となったことで買いを集めました。パーク24(4666)も7月の月次速報でタイムズパーキングの売上総利益が前年同月比31.8%減となり6月の54.6%減からマイナス幅が大きく縮小したことで4.5%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は192円安となりました。先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなかで日経平均が先週末までの4日間で960円近くも上げた反動で利益確定の売りが出て下落しました。また、大幅な減少は織り込み済みだったものの8時50分に発表となった4-6月期のGDP速報値が前期比年率で27.8%減と戦後最大の落ち込みとなったことも相場の重石になったといえそうです。

なお、日本時間の21時30分には8月のニューヨーク連銀製造業景気指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)