【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27,976.84  △289.93 (8/12)
NASDAQ: 11,012.24  △229.42 (8/12)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領がバイオ製薬のモデルナ(MRNA)と1億本の新型コロナウイルスワクチン購入の契約を交わしたと発表したことでワクチン実用化への期待が高まり反発しました。173ドル高でスタートしたダウ平均は一日を通して堅調に推移すると取引終盤に一段高となりました。一時356ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局289ドル高の27,976ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も229ポイント高の11,012ポイントと4日ぶりに反発しています。さらに46ポイント高の3,380ポイントとなったS&P500株価指数は一時3,387ポイントまで上昇し2月19日に付けた史上最高値(3,386ポイント)を上回る場面もありました。

2.経済指標等

7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.0%上昇し市場予想を上回りました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比1.6%上昇し市場予想を上回っています。また、7月の米財政収支の赤字額は前年同月比47.4%減の629億9200万ドルとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術が2%を超える上昇となったほか、ヘルスケアと一般消費財・サービスも1%台後半の上昇となっています。 

4.個別銘柄動向

アップル(AAPL)が目標株価の引き上げを受けて3%以上上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりダウ平均を1銘柄で100ドル押し上げています。マイクロソフト(MSFT)も新しいスマホを9月に米国で発売すると発表したことで3%近く上げダウ平均構成銘柄でアップルに次ぐ上昇率となりました。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も目標株価の引き上げを受けて5%を超える上昇となったほか、半導体のクアルコム(QCOM)も目標株価の引き上げを好感して6%以上上げています。電気自動車のテスラ(TSLA)は1株を5株にする株式分割を発表したことで急伸し13%余り上げました。

一方でボーイング(BA)が7月の新規受注がゼロだったことで2%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。保険のレモネード(LMND)も決算で7-9月期に売上高が減る見通しを示したことで3%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い0.67%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の23,000円を回復しそうで、6月に付けた戻り高値(23,178円)を上回れるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)