東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は大幅反発となりました。日経平均は175円高の22,505円で寄り付くと上げ幅を大きく広げ11時20分前に406円高の22,735円まで上昇し380円高で前場を終えました。375円高の22,705円でスタートした後場は大きく押すことなく高値圏で堅調に推移すると大引け間際に430円高の22,760円まで上昇し本日の高値を付けました。結局一日を通して上げ幅を広げる展開となった日経平均は420円高の22,750円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が反落となった一方で、日経ジャスダック平均は3日ぶりに反発となっています。

2.個別銘柄等

エーザイ(4523)が急伸し13.7%高となりました。米バイオジェン(BIIB)と開発しているアルツハイマー型認知症治療薬が米食品医薬品局(FDA)から優先審査の指定を受けたことで新薬への期待が高まり買いを集めました。また、日本精工(6471)もハイブリッド車や電気自動車など電動車向け部品の売上高を2026年度までに前期比2.3倍の800億円に伸ばすと伝わったことで8.8%高となっています。

さらに決算発表を受けて大きく上げたのが三井金属鉱業(5706)や三菱地所(8802)で、三井金属鉱業は先週末の取引終了後に発表した決算で2021年3月期の第1四半期の営業損益が赤字となったものの市場予想ほど赤字額が膨らまなかったことに加えて、上期の見通しを上方修正したこともあって11.8%高と急伸しました。三菱地所も第1四半期の営業利益が二桁の増益となり市場予想も上回ったことで7.2%高となっています。

一方で太陽誘電(6976)は3割近い減益の営業利益の通期見通しを発表したことで4.2%安となりました。ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)も2020年12月期上期の営業利益が前年同期比で4割近い減益となったことで6.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国市場でダウ平均が先週末と昨日の2日間で400ドル以上上げたことを受けて4日ぶりに反発しました。また、香港のハンセン指数の大幅高もあって上げ幅を大きく広げたことで25日移動平均線(22,545円)を大きく上回りました。

今週は夏休みをとる投資家も多く動意に欠ける展開になりやすいともいえますが、このまま上昇を続けて1カ月以上続いている25日移動平均線を挟んで上下する展開から抜け出すことができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはNTT(9432)やソフトバンクグループ(9984)、楽天(4755)などが決算発表を行う予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )