【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27,201.52 △373.05 ( 8/5 )
NASDAQ: 10,998.40 △57.23 ( 8/5 )
1.概況
米国市場は新型コロナウイルスワクチンの開発進展への期待やISM非製造業景況感指数の改善を受けて続伸となりました。96ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に360ドル高程度まで上げ幅を広げた後一旦上値が伸び悩みましたが、引けにかけて再び上げ幅を広げると引け間際に393ドル高まで上昇する場面もありました。結局ダウ平均は373ドル高の27,201ドルで取引を終え4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント高の10,998ポイントと6日続伸となり3日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
7月の米ISM非製造業景況感指数は58.1と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で7月の米ADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数は16万7000人増に止まり市場予想を大幅に下回りました。また、6月の米貿易収支の赤字額は前月比7.5%減の507億ドルとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げました。そのなかでも資本財・サービスが2%近く上昇したほか、素材と金融、一般消費財・サービス、エネルギーも1%以上上げました。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が下げ、公益事業が1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
ウォルト・ディズニー(DIS)が9%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。決算は最終赤字に転落したものの、昨年の秋に参入した動画配信サービスの伸びが好感され投資判断の引き上げが相次いだこともあり買いを集めました。また、ボーイング(BA)も5%以上上げ、ウォルト・ディズニーとボーイングの2銘柄でダウ平均を130ドル以上押し上げています。さらに決済サービスのスクエア(SQ)が決算で売上高が市場予想を上回ったことで7%近く上げています。一方で半導体のマイクロチップ・テクノロジー(MCHP)が7-9月期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことなどで8%以上下げています。半導体メモリーのウエスタンデジタル(WDC)は取引終了後に発表した決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、7-9月期の見通しも市場予想に届かなかったことから時間外で大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い0.55%となりました。ドル円は105円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場は続伸となったものの、昨日の日本市場が大きく下げ幅を縮めて取引を終えていることもあって本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)