東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は小幅に続落となりました。日経平均は米国株高を受けて92円高の22,489円で寄り付くと取引開始から10分余りで109円高の22,506円まで上昇しましたが、節目の22,500円をわずかに上回ったところで上値が押さえられると上げ幅を縮め11円高の22,408円で前場を終えました。
下落に転じ1円安の22,395円でスタートした後場は14時40分前に62円安の22,334円まで下落するなど小幅安で推移すると結局57円安の22,339円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が5日ぶりに反発した一方で、日経ジャスダック平均は3日続落となっています。
2.個別銘柄等
昨日の取引終了後に2021年3月期の第1四半期の決算を発表した三越伊勢丹ホールディングス(3099)が10.2%安となり上場来安値を更新しました。第1四半期の営業損益が90億円近い赤字となり、通期も380億円の営業赤字の見通しと発表したことで売りが嵩みました。
また、第1四半期の営業損益が38億円余りの赤字となったぐるなび(2440)も17.0%安と急落し東証1部で下落率トップとなっています。2020年12月期の上期決算を昨日の引け後に発表した花王(4452)も新型コロナウイルスの影響でマスク着用が常態化し化粧を控える人が増えたことなどで通期の営業利益の見通しを下方修正し、これまでの増益予想が一転して二桁の減益予想となったことで5.2%安となっています。
一方でエムスリー(2413)が第1四半期の営業利益が前年同期比で26%を超す大幅な増益となったことで6.1%高となり上場来高値を更新しました。北陸電力(9505)も第1四半期の営業利益が前年の第1四半期に比べ2.3倍となったことで6.6%高となり、イーブックイニシアティブジャパン(3658)も第1四半期の営業利益が2.2倍となったことで急伸し15.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に5日続落となりました。反発してスタートしましたが、25日移動平均線(22,519円)を前に伸び悩んだことで上値の重さが意識されると上げ幅を縮め下落に転じました。決算発表が徐々に本格化していますが、決算に冴えない反応を示す銘柄が目立つことも相場の重石となっているようです。
こうしたなか本日も引け後にはコマツ(6301)や日立(6501)、パナソニック(6752)、アドバンテスト(6857)などが決算発表を予定しています。
また、日本時間の21時30分には大幅なマイナス成長が見込まれている4-6期の米GDP速報値の発表があるほか、今晩の米国ではアップル(AAPL)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)