【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26,840.40  △159.53 (7/21)
NASDAQ: 10,680.36  ▼86.73 (7/21)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は欧州連合(EU)が新型コロナウイルスに関する復興基金案で合意したことを好感し続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株に利益確定の売りが出たことで反落となりました。

152ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に344ドル高まで上昇するとその後も高値圏で堅調に推移しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局159ドル高の26,840ドルで取引を終え続伸となっています。

また、S&P500株価指数も5ポイント高の3,257ポイントと3日続伸となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は86ポイント安の10,680ポイントと3日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、エネルギーが6%以上上昇したほか、金融も2%近く上げています。また、資本財・サービスも1%を超える上昇となっています。

一方で情報技術やコミュニケーション・サービスなどの4業種が下げ、情報技術は1%余り下落しました。

4.個別銘柄動向

原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が7%以上上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。エクソンモービル(XOM)も5%余り上げダウ平均構成銘柄でシェブロンに次ぐ上昇率となっています。

また、決算発表で4-6月期が業績の底になるだろうとの見方を示したコカ・コーラ(KO)も2%を超える上昇となり、最高財務責任者(CFO)の交代を発表した銀行大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が経営陣の交代で業績改善への取り組みが進むとの期待から6%を上回る上昇となりました。

さらに決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)も4%以上上げています。

一方でハイテク株に売りが出てアップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)が1%以上下げたほか、有料会員向けの特売イベント「プライム・デー」を今年は延期する方針を示したアマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%近く下落しました。投資判断の引き下げを受けて電気自動車のテスラ(TSLA)も4%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い0.60%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから下落してのスタートが予想されます。4連休を控え様子見になりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)