7月2日から休みに入っていた米国上院の会期は、7月20日に再開されることになっています。これを受け上院では、早速コロナ救済法案のパート4が討論される見込みとなっています。既に5月に下院では3.5兆ドル(約375兆円)の追加救済法案が可決されていたのですが、今週上院では共和党バージョンの救済法案が提案される予定となっています。議会の休暇中も水面下で調整が行われており、この法案は、早ければ7月末まで、遅くとも8月7日までには可決される見通しだと言われています。
現在の懸念事項の一つが、失業者に対する補償が継続されるか否かです。米国では、3月27日にCARES (Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security) ACT (コロナウイルス援助、救済、経済的安全対策法) が署名されました。この法案の下で速やかに国民に現金給付が行われた訳ですが、失業者に対する手厚い保証も含まれていました。法案通過後、失業者は従来の失業保険に加えて、1週間に600ドル(約64,000円)を受給していました。その保証が切れるのが7月末となっています。
これまでCARES ACTの下、3100万人の失業者のうち、毎週1週間で平均980ドル(約105,000円)ですから、月だいたい4,000ドル(約43万円)を受けとってきたのですが、この保証がなくなると平均一週間380ドル(約4万円)、月間1,520ドル(約16万円)へと大幅に減ることになり、本当に困っているアメリカ人の生活が貧窮するとみられています。
その一方で、この追加失業保険は、以前の給料より多く収入が増えたことで、働かない方が得だと思う人達がいることが懸念されていました。これに対し、週末のテレビニュースのインタビューで、ラリー・クドロー国家経済会議委員長は、職に戻ろうとするアメリカ人にインセンティブを与えるような施策をとると答えています。
このような追加経済対策は、米国経済とともに米国株のサポート材料になるのも間違いないかと思います。