東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は大幅反発となりました。日経平均は301円高の22,591円で寄り付くと上げ幅を広げ11時20分過ぎに404円高の22,695円まで上昇し386円高の22,677円で前場を終えました。前場の高値を上回って430円高の22,721円でスタートした後場はさらに上げ幅を広げました。結局一日を通して上げ幅を広げる展開となった日経平均は493円高の22,784円と高値引けで取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が続伸となったほか、日経ジャスダック平均も3日ぶりに反発となっています。

2.個別銘柄等

オンワードホールディングス(8016)が6.7%高となりました。先週末の取引終了後に発表した2021年2月期の第1四半期の営業損益は赤字に転落しましたが、ZOZO(3092)とデジタル技術を使った衣料品の製造販売で提携すると発表したことが好感されました。ZOZOも4.5%高となっています。また、同じく先週末の引け後に決算を発表したコスモス薬品(3349)とライフコーポレーション(8194)が大幅高となり上場来高値を更新しました。コスモス薬品は2020年5月期の営業利益が二桁増益となったことから7.2%高となり、ライフコーポレーションも2021年2月期の第1四半期の営業利益が大幅増益となったうえ、通期の見通しも上方修正したことから11.2%高となっています。

さらに先週末の米国市場でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)やアメリカン航空グループ(AAL)、デルタ航空(DAL)などの空運株が大幅高となった流れを受けて日本市場でも日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が買われました。日本航空が4.1%高、ANAホールディングスが4.9%高となっています。

一方でオープンハウス(3288)が公募増資や自社株の売り出しで最大で約501億円を調達すると発表したことで1株利益の希薄化や株式需給の悪化が警戒され6.0%安となりました。ブイ・テクノロジー(7717)は国内大手証券による投資判断と目標株価の引き下げを受けて3.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は先週末の米国市場が新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの研究開発の進展を示す発表や報道が相次いだことで大きく上昇したことや中国株高を受けて大幅反発となりました。先週末に上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡む売りもあって25日移動平均線を大きく割り込んだことで今週も上値の重い展開になることが心配されましたが、本日は一日を通して上げ幅を広げ高値引けとなったことでそうした懸念は一旦後退しています。しかし、先月下旬以降は25日移動平均線を上下する展開が続いています。

今週は重要イベントが目白押しですが、こうしたなかで日経平均が週を通して25日移動平均線を上回って推移できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)