【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25,827.36 △92.39 (7/2)
NASDAQ: 10,207.63 △53.00 (7/2)
1.概況
米国市場は予想を上回る米雇用統計の改善を受けて上昇しました。ダウ平均は201ドル高でスタートすると469ドル高まで上昇しましたが、新型コロナウイルス感染再拡大への警戒感から昼前には一旦80ドル高程度まで上げ幅を縮めました。その後ダウ平均は午後に入って持ち直し取引終盤に300ドル高余りまで戻しましたが、3連休前で引けにかけて手仕舞い売りが出ると急速に上げ幅を縮め結局92ドル高の25,827ドルで取引を終え反発となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も53ポイント高の10,207ポイントと4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から480万人増となり市場予想を大きく上回りました。失業率も11.1%と前月の13.3%から2.2ポイント低下し市場予想を上回る改善となりました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は142万7000件と前週から5万5000件減少しましたが市場予想ほど改善しませんでした。5月の米製造業受注も前月比8.0%増と前月の13.5%減から改善したものの市場予想を下回っています。また、5月の米貿易収支の赤字額は前月比9.7%増の546億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、素材が2%近く上昇したほか、エネルギーも1%以上上げています。一方で不動産とコミュニケーション・サービスの2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
電気自動車のテスラ(TSLA)が4-6月期の出荷台数が市場予想を大きく上回ったことで8%近く上昇し前日に続いて上場来高値を更新しました。音楽配信のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)も動画配信サービスの立ち上げを検討していると伝わったことで5%近く上げています。オンラインセキュリティのアカマイ・テクノロジーズ(AKAM)は投資判断と目標株価の引き上げを受けて6%を超える上昇となりました。化粧品やサプリメントを販売するニュースキン(NUS)も4-6月期の売上高が見通しを上回ったと発表したことで急伸し25%近く上げています。一方でバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が新型コロナウイルスワクチンの臨床試験が遅れる見通しと伝わったことで5%近く下げています。
5.為替・金利等
独立記念日の振り替え休日前で米債券市場が短縮取引となるなか長期金利は変わらずの0.67%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)