東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は先週末の米国株安を受けて大幅反落となりました。日経平均は257円安の22,255円で寄り付くと取引開始から20分で406円安の22,105円まで下落しましたが、朝方の売りが一巡したことで持ち直し10時30分過ぎに230円安の22,281円まで下げ幅を縮めると前場を297円安の22,214円で終えました。下げ幅を広げ388円安でスタートした後場は一段安となりました。13時50分過ぎに520円安近くまで下落し節目の22,000円をわずかに割り込んだ日経平均はその後一旦22,000円を回復したものの引けにかけて再び22,000円を下回ると14時50分過ぎに542円安の21,969円まで売られました。結局、日経平均は517円安の21,995円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続落となっています。

2.個別銘柄等

高島屋(8233)が2.9%安となりました。3-5月は売上高にあたる営業収益が1000億円程度と前年同期に比べ5割強減り、営業損益も180億円程度の赤字だった模様と報じられたたことが嫌気されました。新型コロナウイルス感染拡大による厳しい環境が改めて意識されたのか他の百貨店株にも売りが波及し、J.フロント リテイリング(3086)が6.0%安、三越伊勢丹ホールディングス(3099)も4.7%安となっています。

また、12月決算銘柄に大きく下落するものが目立ちました。本日は6月の配当権利落ち日でその影響もありますが、4.9%安となった日本たばこ産業(2914)や3.4%安となったキリンホールディングス(2503)、5.7%安となった電通グループ(4324)、6.4%安となったキヤノン(7751)などは配当権利落ちを考慮した基準値を下回って取引を終えています。さらに先週末の米国市場でナイキ(NKE)が決算で最終損益が赤字に転落し大幅安となったことを受けて日本市場でもアシックス(7936)が売られ6.3%安となっています。

一方で半導体計測器具を手掛ける日本マイクロニクス(6871)は投資判断と目標株価の引き上げを受けて8.0%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は先週末の米国市場が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて一部の州が経済活動の規制を再び強化したことを嫌気して大幅安となったことから大幅反落となりました。その結果15日や25日の下落局面でサポートとなった25日移動平均線を本日は下回ってしまいました。節目の22,500円を超えると押し戻される展開が続き上値の重さが意識されるなかで25日移動平均線を割り込み節目の22,000円も下回ることになったことから一旦調整との見方も出てきそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)