東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は昨日に急伸した反動で反落となりました。日経平均は65円安の22,517円で寄り付くと取引開始から25分余りで264円安の22,318円まで売られましたが、朝方の売りが一巡すると50円安まで持ち直しました。しかし、節目の22,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと再び下げ幅を広げ前場を167円安の22,414円で終えました。223円安でスタートした後場の日経平均は13時40分過ぎに45円安の22,536円まで下げ幅を縮め本日の高値を付けましたが、前場同様に22,500円を小幅に上回ったところで上値が押さえられるとその後下げ幅をやや広げ結局126円安の22,455円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続伸となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が5.0%高となりました。保有する米TモバイルUS(TMUS)株の最大3分の2を来週初めに売却することを計画していると伝わったことで総額4兆5000億円の資産売却計画が一段と進展するとの期待から買いを集めました。良品計画(7453)も3.9%高となりました。ローソン(2651)の一部の店舗に無印良品の商品を置き、日用品などプライベートブランド(PB)商品の開発にも乗り出すと伝わったことが材料視されました。ローソンも1.2%高となっています。

新興市場ではワークマン(7564)やミクシィ(2121)やアンジェス(4563)などが大きく上げました。ジャスダック市場ではワークマンが子供服と子供靴事業に参入すると伝わったことで2.9%高となりました。マザーズ市場ではミクシィが上場市場を23日付で東証マザーズから東証1部に変更すると東京証券取引所が発表したことで10.8%高となり、アンジェスも新型コロナウイルスワクチンの治験を30日から始めることが明らかになったことで3.9%高となっています。

一方で東レ(3402)が航空機向けの炭素繊維の供給が新型コロナウイルスの影響で低迷しているため米国の炭素繊維事業の生産体制の縮小に着手すると伝わったことで3.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は反落となりましたが、米政府による大型の経済対策への期待で1,000円を超える大幅な上昇となった翌日ということからすれば想定された展開だといえます。先週の月曜日に急ピッチでの上昇を受けて25日移動平均線との乖離率が10%超まで広がりその後調整となったこともあって適度な休みを入れながらの展開ということなのかもしれません。

今晩はパウエルFRB議長が昨日の米上院での議会証言に続いて下院で証言を行うほか、米住宅着工件数の発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)