豪ドル/円は底を打ったのか否か?!

豪ドル/円は、先週の76円台から一時72円台へ約5%の反落となった。これは、これまでも述べてきたように、「上がり過ぎ」の修正が入ったということだろう。豪ドル/円の90日MA(移動平均線)からのかい離率は、一時のプラス10%程度から、5%程度に縮小した(図表1参照)。

【図表1】豪ドル/円の90日MAからのかい離率(2000年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

ところで、上述のように豪ドルが先週にかけて76円まで一段高となった動きは、金利差からかい離したものでもあった(図表2参照)。金利差で正当化できたのは、大雑把にいえば70円程度まで。では、行き過ぎの反動で豪ドル/円はさらに一段と下落するのだろうか。

【図表2】豪ドル/円と日豪金利差(2019年7月~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

それを考える上で、豪ドル/円の52週MA、72.5円を巡る攻防が、テクニカルには重要な意味を持つ可能性がある。経験的に一時的な反発なら、52週MAを大きく長く上回らない。一方52週MAを1ヶ月以上といった具合に長く上回るなら、継続的なトレンドが発生している可能性が高くなる。

さて、そんな52週MAを、豪ドル/円は先週にかけて2週連続上回った(図表3参照)。さらに今月末にかけて52週MAが位置する72.5円程度を継続的に上回るなら、経験的にはすでに相場は底を打って、反発に向かっている可能性が高くなる。

【図表3】豪ドル/円と52週MA(2008年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

それとも、このまま72.5円を下回り、52週MAを上回る動きが短期的にとどまるなら、豪ドル/円はなお下落トレンドが展開しており、72.5円を上回る動きは限られる可能性が高くなる。