東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国市場の急落を受けて続落となりました。日経平均は390円安の22,082円で寄り付くと売り気配の銘柄が寄り付くなか下げ幅を広げ節目の22,000円を割り込んで取引開始から15分後に685円安の21,786円まで下落しました。しかし、朝方の売りが一巡すると持ち直し前場を341円安の22,131円で終えました。311円安でスタートした後場はさらに下げ幅を縮める展開となり13時15分過ぎに122円安の22,350円まで戻しました。その後やや下げ幅を広げた日経平均は結局167円安の22,305円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続落となっています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)やデルタ航空(DAL)、アメリカン航空グループ(AAL)などの空運株が急落したことで日本市場でも日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が売られました。日本航空が一時10%安となったほか、ANAホールディングスも一時6.4%安となりましたが、持ち直し引けはそれぞれ1.0%安と1.6%安となっています。
また、外資系証券による投資判断の引き下げを受けて半導体製造装置関連が軟調でした。東京エレクトロン(8035)が1.5%安、SCREENホールディングス(7735)が3.7%安、アドバンテスト(6857)が1.0%安、ディスコ(6146)が2.6%安となっています。原油価格の下落を受けて国際石油開発帝石(1605)や石油資源開発(1662)も安く、国際石油開発帝石が2.4%安、石油資源開発が4.1%安となっています。
一方でペプチドリーム(4587)が米製薬大手のメルク(MRK)と新型コロナウイルス感染症治療薬を共同で研究開発すると発表したことで買われました。昼休み時間中の発表を受けて後場に上げ幅を大きく広げ6.1%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国市場でダウ平均が新型コロナウイルスの感染拡大の第2波への警戒感が高まり1,861ドル安と急落したことで続落となりました。しかし、ダウ平均の下げ幅が過去4番目の大きさとなったにも関わらず日経平均は200日移動平均線(21,749円)を前に下げ渋り切り返すと、時間外で米株価指数先物が大きく上昇したこともあって下げ幅を大きく縮めました。底堅さをみせたうえに昨日と本日の下げで25日移動平均線との乖離率が3.8%まで低下し、東証1部の騰落レシオも116.3%と120%を下回り過熱感も解消しています。こうしたなか昨日に急落した米国市場が落ち着きを取り戻せるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)