東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は大幅下落となりました。日経平均は276円安の22,848円で寄り付くと取引開始直後に333円安の22,791円まで下げ幅を広げましたが、10時過ぎには185円安の22,939円まで持ち直し前場を242円安の22,882円で取引を終えました。331円安と下げ幅を広げてスタートした後場は一段安となりました。13時10分過ぎに590円安程度まで売られた後やや持ち直し下げ渋る場面もあった日経平均ですが引けにかけてさらに下げ幅を広げると節目の22,500円を割り込んで14時50分に658円安の22,466円まで下落し安値を付けました。結局、日経平均は652円安の22,472円と安値圏で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに5日ぶりに反落となっています。

2.個別銘柄等

米FOMCでゼロ金利政策が2022年末まで続くとの見方が示されたことで米長期金利が低下し昨日の米国市場で金融株が下落したことを受けて日本市場でもメガバンクや生保株が売られました。3メガバンクでは三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が4.9%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が3.5%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)が4.3%安となりました。生保株では第一生命ホールディングス(8750)が6.8%安、T&Dホールディングス(8795)が8.5%安となっています。一段と進んだ円高を受けて自動車株も安く、日産(7201)が8.8%安、トヨタ(7203)が2.7%安、マツダ(7261)が6.0%安、ホンダ(7267)が5.7%安、SUBARU(7270)が5.2%安となっています。

一方でドン・キホーテなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)が国内リテール主要5社の5月の既存店売上高が前年同月比3.0%増となったことで3.1%高となり上場来高値を更新しました。同じく上場来高値を更新したのがMonotaRO(3064)で、5月の売上高が前年同月比10.4%増と二桁の伸びとなったことを好感して4.2%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場でダウ平均が280ドルを超える下げとなり、ドル円が一時107円台を割り込む円高となったことに加えて、米株価指数先物が時間外に大きく下げ幅を広げたこともあって652円安となりました。大きな下げとなりましたが、昨日時点での日経平均の25日移動平均線との乖離率が8.6%と依然として高水準で、東証1部の騰落レシオも141.6%と高く、過熱感が相当に強まっていたことからすると当然のスピード調整という見方もできそうです。なお、明日は3カ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)