5日移動平均線上を維持して上昇が続く
今週も窓についての解説です。株価はどのように変化したのか、早速チャートで確認したいと思います。
これまで指摘しましたように、日経平均株価は上向きの5日移動平均線上を維持して上昇を続け、2月21日と25日のあいだにあけた窓まで接近しているのが分かります。
特筆すべき点は、今年1月17日の高値から3月19日の安値までの値幅の61.8%戻しの水準を上回ってから、上向きに変化した5日移動平均線上を終値ベースで維持すると同時に、取引時間中に一度も下回ることなく上昇が続いたことです。
今回のように一度も上向きの5日移動平均線を下回ることなく上昇が続いたことから分かることは、5日移動平均線上を維持しているあいだは、株価水準や過熱感よりもトレンドが優先されるということです。
また、株価水準が切り上がるなかで売りたくなるところでありますが、上向きの5日移動平均線上を維持しているあいだは、日経平均のETFなどを保有している場合、売らない方がよいことになりますし、中上級者の投資家は空売りをやってはいけないことがお分かりいただけるのではないかと思います。
さらに、上向きの5日移動平均線上を維持しているあいだ、届かないかもしれないと思われた窓の水準をいくつも埋めてきております。このようなことからも、トレンドを優先して判断した方が良い結果になることもあることが証明されたのではないでしょうか。
新たな窓が2つ発生
さて、そうしたなか今回も2つの新たな窓が発生しているのが分かります。これらの窓はどの種類に分類されるのでしょうか。
私は、過去の値幅の範囲内であることから、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。そのため、株価の上昇が一旦止まり下向きに変化した場合、これらの窓を埋める可能性が高まるのではないかと考えています。
今回発生した窓を埋めるかどうかは、トレンドが転換するかどうかにかかっています。
5日移動平均線上を維持しているあいだは、2月21日と25日のあいだにあけた窓を埋める可能性について考える方が先ではないかと思われますので、先にこの窓を埋めるかどうかについて話を戻しますが、果たして、2月の窓を埋めることができるのでしょうか。
2月の窓を埋めることができるかの判断材料は?
その答えは、やはり5日移動平均線上を維持できるかどうかにかかっていると思われます。仮に上向きの5日移動平均線上を維持するようですと、今週中かそれ以降に窓を埋めることが期待されます。
一方で、5日移動平均線上を維持できなくなると同時に5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるようですと、前述のように新たに発生した窓を埋めながら76.4%戻しの水準や200日移動平均線辺りまで反落が続くことが考えられそうです。