英ポンド/円 (130.80〜141.00) 6月4日〜6月10日まで
冒頭から英国内のニュースをいくつかご紹介します。まずBOEのベイリー総裁は6月3日、英国内の大手各行に対し、合意なき離脱に備えるよう呼びかけた模様です。総裁は、現在進められている第4ラウンドの英・EU間の将来的な貿易に関わる関税交渉がまとまらない場合は、合意なき離脱もあり得るとし、その際の対応策を各銀行の頭取達とビデオ会議で話し合いました。
また、6月2日から開始されている交渉では、英国側が漁業権で歩み寄る準備があることから、交渉の行き詰まりを打破できるかが注目されます。
そして、着目したいのはダウやS&P500、日経平均に見られる急騰の動きです。
代表してNYダウ平均の日足チャートを掲載しました。新型コロナウイルスの欧米での感染拡大を受け、3月23日には18,213ドルまで下落したものの、6月3日の時点で26,337ドルまで上昇しました。
実体経済を見れば、世界規模での新型コロナウイルスの感染拡大はまだまだ継続している点や、米国で起きた白人警官によるアフリカ系米国人の殺人事件(第2級殺人に切り替えられたため、殺人事件と呼びます)をきっかけとした全米に広がるデモの動きなどを見ると、決してポジティブ反応を示す内容が目立っているわけではありません。
おそらく米国では夏にかけて益々失業者が増えることが予想され、グローバルな景気後退を考慮すると、このままNYダウ平均が新型コロナウイルス感染症が拡大する前の30,000ドルまで上昇するとは通常では考えらないのですが、欧米では歴史上類を見ない経済刺激策がなされているため、過去の値動きと同じにはならない点も注意が必要です。
景気刺激策の下支えを考慮すれば、半年〜1年先の実体経済に多少の打撃があったとしても、この難局を超えた先にはNYダウ平均が30,000ドルを超えていくことも視野に入れておく必要あります。
一方、歴史は繰り返す・・・が立証されるのであれば、再び18,000ドルまで底を打つ可能性も十分にあるでしょう。
米ドル/円の動きは鈍く、為替相場全体で旨味があるのは、やはりポンド絡みの通貨だと思いますが、日々の利益を出していくためにも、株価指数取引などを取り入れてみるのも1つの選択肢と言えます。
現在ポンドは上昇していますが、英・EU間の第4ラウンドの交渉で決裂などのニュースが出た場合は、一気に下げる可能性があることにも注意が必要です。一方で、交渉がうまく進んだニュースが出れば、一段と上昇していくこともありますので、毎日夕方以降の動きには気をつけていきたいところです。
向こう1週間の重要指標です。
4日(木)
20:45 EUR・ECB政策金利
21:45 EUR・ラガルドECB総裁定例記者会見
5日(金)
20:30 EUR・ECB理事会議要旨
21:30 米・雇用統計
8日(月)
8:50 日・GDP改定値
9日(火)
18:00 EUR・GDP確定値
10日(水)
21:30 米・消費者物価指数
27:00 米・FOMC、終了後政策金利発表
27:30 米・パウエルFRB議長定例記者会見
それでは、月足チャートです。
月足トレンドレス中段。どちらかと言うと上目線。
続いて、週足チャートです。
トレンドレス中段。ミドルを抜けていくかどうかの場面。
次に日足チャートです。
トレンドレス上段。短期的にはアップトレンドと認識します。
4時間足です。
アップトレンド押し目形成中。
上記の分析からエントリーポイントとして、
予想レンジ:(130.80〜141.00)
メインストラテジー:
買いをするなら
・4時間足MA,もしくはミドルライン反発+1時間足中段保合いの順張りエントリー。
・日足MA,もしくはミドルライン反発+4時間足中段保合いの順張りエントリー。
・4時間足がトレンドレスとなった場合は−2σから逆張りエントリー。
(上記はいずれもインジケーターを重視して判断するエントリーの為、価格未定)
売りをするなら
・137.00〜30日足トレンドレス上段+4時間足Wトップからの逆張りエントリー。
・140.60~141.00週足レジスタンスラインからの逆張りエントリー。