東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて3日続伸となりました。日経平均は323円高の22,649円で寄り付くと取引開始から10分余りで493円高の22,818円まで上昇しましたが、その後は利益確定の売りに押されて上げ幅を縮める展開となりました。前引け間際に241円高の22,566円まで上げ幅を縮めた日経平均は後場に入って12時40分前に374円高まで持ち直しましたが、22,700円で上値が押さえられると22,500円を割り込んで14時30分には137円高の22,462円まで上げ幅を縮め本日の安値を付けました。しかし、22,500円を回復した日経平均は引けにかけて22,600円台に乗せると結局288円高の22,613円で取引を終えています。

一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数が4日ぶりに反落となったほか、日経ジャスダック平均も14日ぶりの反落となっています。

2.個別銘柄等

米国での自動車販売が回復傾向にあることが好感され自動車株が堅調でした。なかでも5月の米新車販売が前年同月比で1%減に止まり4月の45%減から減少幅が大きく縮小したマツダ(7261)が9.1%高となったほか、4月の47%減から5月に19%減となったSUBARU(7270)も6.0%高となりました。54%減から26%減となったトヨタ(7203)も2.1%高、54%減から17%減となったホンダ(7267)も2.6%高となっています。

ファーストリテイリング(9983)も5月の既存店売上高が前年同月比18.1%減となり4月の56.5%減から減少幅が大幅に縮小したことで買われ一時4%以上上げる場面もありました。引けは2.9%高となり日経平均を1銘柄で65円近く押し上げています。

さらにAGC(5201)が英製薬大手のアストラゼネカから米国にあるバイオ医薬品の原薬製造工場を買収したと発表したことで4.7%高となりました。受託製造する新型コロナウイルスの治療薬候補の物質「レロンリマブ」が商業化された場合の生産拠点になる見通しと伝わったことで注目を集めました。また、三井化学(4183)は国内大手証券が目標株価を引き上げたことで7.1%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は続伸となりました。過熱感が高まっていることでいつ調整してもおかしくない状況ですが、米国株高に円安という好材料が揃えば大きく上昇するのも当然の流れだといえます。しかし、さすがに500円高近くまで上げ幅を広げたところでは25日移動平均線との乖離率が10%を上回ったこともあって上げ幅を縮める展開となり節目の22,500円を割り込む場面もありました。それでも節目の22,500円を割り込んだままで終わらないところが地合いの堅調さをあらわしているといえそうです。

なお、今晩は日本時間の11時に米ISM非製造業景況感指数が発表されます。1日に発表された米ISM製造業景況感指数は改善が好感され米国市場が上昇しました。米ISM非製造業景況感指数も改善が見込まれているだけにマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)