【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,475.02  △91.91 (6/1)
NASDAQ: 9,552.05  △62.18 (6/1)

1.概況

米国市場は米ISM製造業景況感指数の改善を受けて経済活動の正常化への期待が高まり上昇しました。抗議デモの拡大を受けて40ドル安でスタートしたダウ平均は取引開始直後に162ドル安まで下げ幅を広げましたが、切り返すとプラスに転じ午後には125ドル高まで買われる場面もありました。結局ダウ平均は91ドル高の25,475ドルで取引を終え3日ぶりに反発しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も62ポイント高の9,552ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

5月の米ISM製造業景況感指数は43.1と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。一方で4月の米建設支出は年率換算で前月比2.9%減となりましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、不動産が2%余り上昇したほか、エネルギーと金融、公益事業も1%以上上げています。一方でヘルスケアが1%安となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が4%近く上げたほか、トラベラーズ(TRV)も2%高となりました。一方でファイザー(PFE)が乳がん治療薬の治験に失敗したことで7%以上下げ、シスコシステムズ(CSCO)も3%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)がセキュリティー対策を強化すると伝わったことで顧客層がさらに広がるとの見方から急伸し14%近く上げています。カジュアル衣料のギャップ(GPS)も投資判断の引き上げを受けて急伸し11%余り上げました。バイオ製薬大手のギリアド・サイエンシズ(GILD)は新型コロナウイルス治療薬レムデシビルの臨床試験で統計的に有効な結果が得られなかったと公表したことで3%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い0.66%となりました。ドル円は107円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。短期的な過熱感が高まるなかで日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)