多感な頃を過ぎても、多感な頃の雰囲気は覚えています。でもそれは、目をつぶれば簡単に思い出せる訳ではなく、その頃に読んだ文章(詩とか随筆とか小説とか)を読むと、ふわぁーっと一気に甦ってくるのです。目をつぶっても或る程度は思い出します、黒白写真のように。しかし文章を読むと、色が付き、更に場合によってはあたかも匂いまでするようです。

「多感な頃を過ぎても」と書き出しましたが、今でも感受性は思いっ切り十分にあると感じています。でも「多感な頃」は、辛い気持ちや悲しい気持ちを感じていたのですが、今は楽しい気持ちや幸せな気持ちを感じることが上手になり、明らかにその比率のバランスが、大きく変わったことに気付きます。「多感」とは、あやふやな概念ですね。

それでもなお、本の中に昔の自分を垣間見るのは、懐かしいというか、これもまた極めてあやふやな表現ですが「甘酸っぱい」ような感覚を覚えます。ふーむ。感情とはなべてあやふやというかテキトーなものですね。今日はあやふやな話しで失礼しました!