東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は一日を通して方向感に欠ける展開となるなか小幅反落となりました。日経平均は22円高の20,413円で寄り付くと直ぐにマイナスに転じ取引開始から30分余りで96円安の20,293円まで下落しました。しかし、持ち直すと47円高の20,438円まで上昇しその後は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。後場も93円安まで下落する場面もありましたが、前場の安値を割り込むことなく下げ渋ると持ち直し14時20分過ぎには66円高の20,457円まで上昇する場面もありました。引けにかけて売りが優勢となった日経平均は結局24円安の20,366円で取引を終え4日ぶりに反落となっています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数が続伸となったほか、日経ジャスダック平均も4日続伸となっています。

2.個別銘柄等

13時10分に決算を発表したトヨタ(7203)が決算発表直後に下げ幅を広げる場面がありました。2020年3月期の営業利益は前期比1.0%減の2兆4429億円と小幅な減益に止まりましたが、2021年3月期の営業利益が79.5%減の5000憶円と大幅な減益となる見通しを発表したことが嫌気されました。一時2.6%安まで下落する場面がありましたが、やや持ち直し引けは2.0%安となっています。また、昨日の取引終了後に発表した決算を受けて大きく売られたのが三越伊勢丹ホールディングス(3099)で2021年3月期の業績予想は未定としたものの、2020年3月期の営業利益が46.4%減と大幅な減益となったことで8.7%安となりました。2020年3月期の営業利益が36.7%減となった日野自動車(7205)も5.4%安となっています。

一方で決算を受けて大きく上昇したのが大阪瓦斯(9532)で、2020年3月期の営業利益が23.3%の増益となったのに加え、2021年3月期も8%を超える営業増益の見通しを発表したことで4.3%高となりました。また、2020年3月期の利益予想を上方修正したスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)が3.4%高となりました。大型タイトルの発売延期により売上高は下方修正しましたが、営業利益の見通しを240億円から327億円に引き上げ減益予想が一転して増益予想となったことで買われました。

VIEW POINT: 明日への視点

円安などを材料に小幅に上昇してスタートした日経平均ですが、3日間で770円以上上げた後ということもあって下落となりました。しかし、半値戻しを達成し先高期待が出てきているだけに小幅な下げで、昨日までの堅調な地合いに大きな変化はないとみられます。こうしたなか本日は取引時間中にトヨタが決算を発表しましたが、明日は取引終了後にソニー(6758)が決算発表を予定しており注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)