【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24,331.32 △455.43 (5/8)
NASDAQ: 9,121.32 △141.66 (5/8)
1.概況
先週末の米国市場は米財務長官と米通商代表部代表が中国の副首相と電話で会談し米中貿易交渉の第1段階の合意を履行することを確認したことで米中対立激化への懸念が後退し大幅続伸となりました。231ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に390ドル高程度まで上げ幅を広げたあと一旦上値が伸び悩みましたが、引けにかけて一段高になると結局455ドル高の24,331ドルと高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は141ポイント高の9,121ポイントと5日続伸となり、節目の9,000ポイントを回復しています。
2.経済指標等
4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から2050万人減となり過去最大の減少となりました。失業率も14.7%と前月から10.3ポイント上昇し戦後最悪となっています。ただ、市場予想ほど悪化しなかったこともあって売り材料とはなりませんでした。また、3月の米卸売在庫は前月比0.8%減となりましたが市場予想を上回りました。米卸売売上高は5.2%減となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げ、エネルギーが4%を超える上昇となったほか、資本財・サービスと素材、生活必需品、金融、公益事業も2%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでも米中対立激化への懸念が後退したことでダウ(DOW)とキャタピラー(CAT)が4%を超える上昇となったほか、原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)も4%を上回る上昇となりました。また、シスコシステムズ(CSCO)も4%近く上げたうえ、ボーイング(BA)とウォルト・ディズニー(DIS)、コカ・コーラ(KO)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、シェブロン(CVX)も3%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、配車サービス大手ウーバーテクノロジーズ(UBER)が6%高となりました。決算では赤字幅が大きく膨らんだものの、最高経営責任者(CEO)の前週の利用が、前の週に比べ全体で12%増えたと発言したことが好感されました。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.04%高い0.68%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか先週末に500円以上上げた日経平均が堅調さを維持して一目均衡表の雲の上限(20,237円)を引けで上回れるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)