このレポートのまとめ
1. アルファベットの決算はまちまちだった
2. メルクの決算はガイダンスが弱かった
3. ペプシコの決算は良かった
4. キャタピラーの決算は悪かった
5. ファイザーの決算は良かった
6. ユナイテッド・パーセル・サービスの決算はまちまちでした
7. ビザの決算は予想を上回った
8. アップルの決算は良かった
9. アマゾン・ドットコムの決算は悪かった
■アルファベット(GOOG) まちまちだった
アルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)の第1四半期決算はまちまちでした。
3月に入って広告収入が大きくスローダウンしました。
営業利益は79.8億ドル(前年同期66億ドル)。
営業マージンは19%(前年同期18%)。
グーグル・サーチ広告売上高は245億ド(前年同期225.5億ドル)でした。グーグル・サーチ広告収入は3月に-15%を記録しています。
YouTube広告は40.4億ドル(前年同期30.25億ドル)でした。YouTube広告は3月に-8%を記録しています。
グーグル・クラウド売上高は27.8億ドル(前年同期18.3億ドル)。
トラフィック・アクイジション・コスト(TAC)は74.5億ドル(前年同期68.6億ドル)。
営業キャッシュフローは114.5億ドル(前年同期120億ドル)。
地域別売上高は以下の通り(前年同期比)。
欧州中東アフリカ 128.5億ドル(+10%)
アジア太平洋 72.4億ドル(+19%)
米国 188.7億ドル(+14%)
■メルク(MRK) ガイダンスが弱かった
メルク(ティッカーシンボル:MRK)の第1四半期決算は良かった一方、ガイダンスは弱いものでした。
キイトルーダ売上高は106.6億ドル(前年同期比+10%)。
ジャヌビア売上高は32.8億ドル(前年同期比+45%)。
メルクの薬品は医師の診断により処方されるものが大半であり、新型コロナウイルスでほかの診療が後回しになると売上高が減少するリスクがあります。
2020年の一株利益(EPS)は予想5.54ドルに対し新ガイダンス5.17~5.37ドルが、売上高予想486.5億ドルに対し新ガイダンス461~481億ドルが提示されました。
■ペプシコ(PEP) 良かった
ペプシコ(ティッカーシンボル:PEP)の第1四半期決算は良好でした。
部門別売上高の増加率は以下の通り。
フリトレー北米 +7%
クエーカー北米 +7%
ペプシ北米 +7%
南米 +6%
欧州 +14%
アフリカ中東南アジア +9%
アジア太平洋 +6%
■キャタピラー(CAT) 悪かった
キャタピラー(ティッカーシンボル:CAT)の第1四半期決算は悪化しました。
部門別売上高と変化率は以下の通り。
建機 58.7億ドル -27%
リソース産業向け 27.5億ドル -24%
石油・運輸 52.1億ドル -17%
地域別売上高と変化率は以下の通り。
北米 49.8億ドル -24%
南米8.9億ドル -21%
欧州中東アフリカ 24.4億ドル -7%
アジア太平洋 23.3億ドル -27%
■ファイザー(PFE) 良かった
ファイザー(ティッカーシンボル:PFE)の第1四半期決算は良いものでした。
主な薬の売上高は以下の通り:
エリキュース(経口抗凝固薬FXa阻害剤)13億ドル +29%
イブランス(転移乳がん治療薬)12.5億ドル +10%
プレベナー(肺炎球菌ワクチン)14.5億ドル -2%
ゼルヤンツ(関節リウマチ治療薬)4.51億ドル +7%
リピトール(脂質異常症)4億ドル -35%
2020年の一株利益(EPS)は予想2.70ドルに対しこれまでのガイダンス2.82~2.92ドルが、売上高は予想470.1億ドルに対しこれまでのガイダンス485~505億ドルが堅持されました。
■ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) まちまちだった
ユナイテッド・パーセル・サービス(ティッカーシンボル:UPS)の第1四半期決算はまちまちでした。
国内売上高は114.6億ドル(前年同期104.8億ドル)。
国内営業利益は3.64億ドル(前年同期6.66億ドル)。
海外売上高は33.8億ドル(前年同期34.6億ドル)。
海外営業利益は5.51億ドル(前年同期5.28億ドル)。
4月に入ってアジア市場は安定化の兆しを見せています。しかし欧州は未だに兆しが見えません。4月のボリュームは-8%で推移しています。
同社は2020年のガイダンスを取りやめました。
■ビザ(V) 良かった
ビザ(ティッカーシンボル:V)の第2四半期(3月期)決算は良好でした。
売上高の内訳と前年同期比は以下の通り。
サービス 26.23億ドル +9%
データ・プロセシング 27.11億ドル +11%
国際トランザクション 18.33億ドル +2%
その他 3.92億ドル +20%
インセンティブ -17.05億ドル +15%
営業キャッシュフローは53.42億ドル(前年同は53.6億ドル)。
ペイメント・ボリュームは+5%でした。
クロスボーダー・ボリュームは-2%でした。
プロセスト・トランザクションは+7%でした。
■アップル(AAPL) 良かった
アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の第2四半期決算は予想を上回りました。
iPhone売上高予想279億ドル、結果289.6億ドル
iPad売上高予想43.3億ドル、結果43.6億ドル
Wearables売上高予想69.3億ドル、結果62.8億ドル
Services売上高予想126億ドル、結果133.5億ドル
グロスマージンは予想38.4%に対し38.3%となりました。前年同期の37.6%からやや増えています。
第2四半期の中国売上高は前年同期比-8%の94.6億ドルでした。
アップルは配当を77セントから82セントに引き上げます。また現行の自社株買戻しプログラムを500億ドル上乗せします。
■アマゾン・ドットコム(AMZN) 悪かった
アマゾン・ドットコム(ティッカーシンボル:AMZN)の第1四半期決算は予想を下回りました。
営業利益は予想40.6億ドルに対し39.9億ドルでした。
AWS売上高は+33%の102.2億ドルでした。
第2四半期の売上高は予想788.6億ドルに対し新ガイダンス750~810億ドルが提示されました。営業利益は予想37.3億ドルに対し新ガイダンス-15億ドル~15億ドルが提示されました。
新型コロナウイルスへの対策費用に40億ドルほどかかり、第2四半期の営業利益のほぼすべてが吹き飛ぶとのコメントがありました。
また3月から米国の時間賃金を2ドル引上げ、残業手当も1時間34ドルとしました。この特別手当は少なくとも5月16日まで続く予定です。