東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことで反落となりました。日経平均は97円安の19,331円で寄り付くと取引開始から40分弱で218円安の19,210円まで売られましたが、朝方の売りが一巡するとやや持ち直し157円安で前場の取引を終えました。131円安の19,298円でスタートした後場は19,300円をわずかに上回ったところで上値が押さえられると14時ごろから下げ幅を広げ前場の安値を割り込んで254円安の19,175円まで売られ本日の安値を付けました。その後19,200円台を回復した日経平均は結局167円安の19,262円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が続伸となる一方で、日経ジャスダック平均は反落となっています。

2.個別銘柄等

決算発表がスタートするなかその決算に大きく反応する銘柄がみられました。昨日の取引終了後に決算を発表したオムロン(6645)は2021年3月期の業績予想を未定としましたが、決算説明会で4月から緊急の固定費削減を行っているうえ、イタリアを除く全ての工場が稼働しており部品調達にも問題がないことなどが説明されたことで過度な警戒感が後退し7.5%高となりました。同じく昨日の引け後に決算を発表したネットワンシステムズ(7518)も2020年3月期の営業利益が3割を超す大幅な増益となったうえ、2021年3月期も小幅ながら増益の見通しを出してきたことが好感され急伸し14.8%高となりました。

一方で昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表したインテル(INTC)が時間外で大きく下げたことで日本市場でも半導体関連株が売られました。シリコンウエハーのSUMCO(3436)が3.1%安、信越化学工業(4063)が2.8%安となったほか、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が3.1%安、SCREENホールディングス(7735)が3.5%安、アドバンテスト(6857)が4.1%安となりました。また、昨日の取引終了後に決算を発表したディスコ(6146)も第1四半期の営業利益の会社予想が市場予想に届かなかったこともあって4.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

来週は重要イベントが目白押しです。日米欧の中銀の政策会合や1-3月期の米GDP速報値、中国のPMIなどに加え、先行してスタートした米国企業の決算発表に続いて日本でも決算発表が本格化します。日経平均は20,000円の大台回復を前に上値を押さえられると節目の19,000円を試すなど、今週は19,000円台で方向感を探るような展開でしたが、来週は重要イベントがどちらかに動き出すきっかけになるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)