世界のGDP15%激減、失業者急増、給料大幅減
そもそも「恐慌」とは、企業の倒産や失業が大規模に発生し、生産、雇用、所得が急激かつ大幅に減少する現象のことをいいます。では、株大暴落が広がった中で、1930年代の世界恐慌では、それらは具体的にどんな動きだったのか。
たとえば、株暴落が広がった1929年から1932年の間に、世界のGDPは約15%も減少したとされます。IMF(国際通貨基金)が先週、世界経済の成長率がマイナス3%になるとの見通しを発表しましたが、世界恐慌ではさらにケタ違いの劇的GDP悪化となっていたわけです。
また、世界恐慌を題材にした文献も大変多くあります。それらによると、不況が最も深刻化した1932年の米国の失業者は1千万人をはるかに上回り、給与総額は4割、賃金は6割引き下げられたといった指摘もありました。
前にも書いたように、「恐慌」とは、企業の倒産や失業が大規模に発生し、生産、雇用、所得が急激かつ大幅に減少する現象のことをいいます。その中でも、「20世紀最悪」とされた1930年代の世界恐慌だけに、改めて具体的数字を見るとゾッとするものばかり。
近年は、経済政策の発展や国際的な協調システム構築などにより、このような大規模な恐慌の発生は未然に防止できるとの見方になっていました。それでも、「世界恐慌以来のコロナ恐慌」のリスクとされるわけですから、まだまだ警戒する必要がありそうです。