東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国の経済活動の再開への期待などから大幅反発となりました。日経平均は285円高の19,575円で寄り付くとさらに上げ幅を広げ取引開始から40分弱で602円高の19,892円まで上昇しました。11時に前年同期比6.8%減と四半期ベースで統計を遡れる1992年以降で初めてのマイナスとなった中国の1-3月期のGDPが発表されると日経平均はやや上げ幅を縮めましたが、影響は限定的で前場は492円高の19,782円で取引を終えました。486円高と前引けとほぼ同水準でスタートした後場は12時40分過ぎに373円高まで弱含む場面もありましたが、持ち直すと14時30分過ぎには631円高の19,922円まで買われ本日の高値を付けました。結局、日経平均は607円高の19,897円で取引を終え3日ぶりに反発となっています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が5日続伸となったほか、日経ジャスダック平均は10日続伸となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか寄与度の大きいソフトバンクグループ(9984)やファーストリテイリング(9983)が大きく上げました。東証1部市場で売買代金トップとなったソフトバンクグループが6.9%高となり日経平均を66円近く押し上げたほか、売買代金2位となったファーストリテイリングも6.3%高となり日経平均を108円余り押し上げています。

また、半導体受託生産世界最大手の台湾のTSMCが売上高の見通しを下方修正しながらも1兆7千億円超の設備投資に関しては計画を変更しなかったことから半導体製造装置関連が買われました。東京エレクトロン(8035)が3.9%高、SCREENホールディングス(7735)が2.7%高、アドバンテスト(6857)が6.5%高となりました。一時ストップ高となったのがカネカ(4118)で、新型コロナウイルスに対する治療効果が期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」の原薬の生産を始め7月から富士フイルムホールディングス(4901)に供給すると発表したことから買いを集めました。引けは7.2%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、トランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染者が少ない地域から経済活動の再開を認める新指針を発表したことや、米ギリアド・サイエンシズ(GILD)が開発した抗ウイルス薬の臨床試験で新型コロナウイルスに感染した患者が急速に回復していると伝わったことから米株価先物が大幅高となったことで大幅上昇となりました。そのため14日に3月下旬に付けた戻り高値(19,564円)を抜けたことで膨らんだリバウンド相場への期待が一段と高まっています。今晩の米国市場次第ですが週明けの20,000円の大台回復への期待も高まります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)