【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 22,552.17 △1,351.62 (3/26)
NASDAQ: 7,797.54 △413.24 (3/26)
1.概況
米国市場は米上院が2兆ドル規模の大型経済対策法案を賛成多数で可決したことを好感して急伸となりました。267ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに1,220ドル高近くまで上げ幅を広げたあと一旦上値が伸び悩みましたが、その後も堅調に推移すると引けにかけて一段高となり引け間際には1,394ドル高まで買われました。結局ダウ平均は1,351ドル高の22,552ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も413ポイント高の7,797ポイントと大幅反発となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比300万1000件増の328万3000件となりこれまでで最多だった1982年10月の69万5000件を大きく上回り過去最多となっています。また、10-12月期の米GDP確報値は改定値と変わらずの年率換算で前期比2.1%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業が8%以上上昇したほか、不動産も8%近く上げました。さらにヘルスケアと金融、資本財・サービス、情報技術、エネルギー、コミュニケーション・サービスも6%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はダウ(DOW)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が14%近く上げたほか、シェブロン(CVX)とウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)も10%余り上昇しました。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も9%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が5%以上上げました。決算は減収減益だったものの、売上高と1株利益が市場予想を上回ったことが好感されました。さらに航空会社への助成金の支給と引き換えに米政府が株式取得を検討していると伝わったことでデルタ航空(DAL)やアメリカン航空グループ(AAL)、サウスウエスト航空(LUV)などが買われました。デルタ航空とアメリカン航空グループが2%近く上げたうえ、サウスウエスト航空は4%を超える上昇となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い0.85%となりました。ドル円は円高に振れ109円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の19,000円を超えて上げ幅を広げそうですが、本日が3月末決算銘柄の権利付き最終売買日となるなか配当取りやインデックス投資の機関投資家による先物への配当の再投資などの動きがみられるかがポイントとなりそうです。なお、東京証券取引所より 3月期決算の上場会社における配当金その他の権利の基準日が新型コロナウイルス感染症の影響により変更となる可能性があることに関し注意喚起が発表されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)