東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は334円高の1万6887円と3日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて上昇し、中でも東証2部指数は2.3%と大きく反発しました。日経平均は先週大幅に下落した反動もあり、17円高の1万6570円と小幅に反発して寄り付きました。買いが一巡すると上げ幅を縮めた日経平均は10時に71円安まで下落したものの、その後は持ち直し80円高の1万6633円で前場を終えました。上げ幅を広げて後場を迎えた日経平均は14時前に496円高まで上昇すると、その後は上げ幅を縮めて334円高の1万6887円で取引を終えました。東証1部の売買代金は4兆152億円と4日連続で4兆円を上回りました。

東証33業種は非鉄金属や保険業、倉庫運輸関連などの26業種が上昇した一方で、空運業や精密機器、小売業などの7業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が18.6%上昇したほか、任天堂(7974)やファーストリテイリング(9983)、NTT(9432)、キーエンス(6861)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)が上昇しました。中でもソフトバンクグループは本日午後に最大4.5兆円の保有資産の売却とそれを原資とした最大2兆円の自社株買いを発表したことが好感されてストップ高水準で取引を終えています。一方でトヨタ自動車(7203)やソニー(6758)、KDDI(9433)、NTTドコモ(9437)は下落しました。トヨタ自動車は19日に北米工場の休止期間を当初の3月23~24日の2日間から4月3日まで延長すると発表しており、生産再開の先行き不透明感から売りに押され、3.5%安となっています。

その他材料が出たところでは、ANAホールディングス(9202)が8.6%下落しました。22日に外務省が米国全土に関する新型コロナウイルスの感染症危険情報を不要不急の渡航中止を要請する「レベル2」に引き上げたことや、23日未明に国際オリンピック委員会が2020年東京オリンピック・パラリンピックの延期を含めた検討に入ると発表したことを受けて、業績への悪影響が懸念されて売られました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は334円高と反発しました。東証の規模別株価指数を見ると、大型株指数が0.6%高、中型株指数が0.4%高と小幅高なのに対し小型株指数は2.3%高と小型株が大きく買われた1日となりました。本日はアジア株が軒並み大きく売られる中で日本株の堅調さが際立ちました。新型コロナウイルス問題について、今の所日本は感染者数の増加ペースも世界各国のなかで相対的にはおさえられており、日常生活も概ね落ち着いて送れる状況にあることなどが日本株買いにつながっている一面もあるのかもしれません。ただ、まだまだ警戒感を強くしておくべきフェーズは続くと思われます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)