東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は429円安の1万7002円と4日続落しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数なども下落しましたが、東証2部指数は上昇しました。先週末の米国市場が上昇したことや取引開始前にFRBが緊急追加利下げや量的金融緩和の再開を発表したこと、日本銀行が金融政策決定会合の開催日程を18・19日から本日に前倒しすると発表したことなどを受けて、日経平均は155円高の1万7586円と反発して寄り付きました。買いが一巡すると下落に転じた日経平均でしたが、じりじりと下げ幅を縮めてプラスに転じると前場を18円高の1万7449円で終えました。

後場に入り前日終値を挟んでもみ合いとなっていた日経平均は、14時過ぎに日銀が上場投資信託(ETF)購入目標の倍増などを含む追加金融緩和を発表すると一時は354円高まで上昇しました。ただ、緩和内容が物足りないとの思惑も出たのかその後再びマイナスに転じた日経平均は、引け間際に516円安まで下落して安値をつけると結局429円安の1万7002円で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆3191億円でした。

東証33業種は空運業や証券商品先物、水産・農林業など6業種が上昇した一方で、ゴム製品や電気機器、輸送用機器など27業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.5%下落したほか、ソニー(6758)やファーストリテイリング(9983)、任天堂(7974)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)が下落しました。一方で三井住友フィナンシャルグループ(8316)やKDDI(9433)は上昇しました。

材料が出たところでは、美容機器メーカーのヤーマン(6630)がストップ高水準となる19.8%高で取引を終えました。13日の引け後に金額で10億円を上限とする自社株買いを発表したことなどが好感されました。また、本日取引開始前に150億円を上限とした自社株買いを発表した富士フイルム(4901)も0.8%上昇しています。一方で関西・中部を地盤に居酒屋を展開するマルシェ(7524)は13%下落しました。13日に発表した2月の既存店売上高が前年同月比で5.8%減少したことや、株主優待の贈呈回数を年2回から1回に変更したことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

日銀の追加緩和発表を受け一時は354円高まで上昇した日経平均ですが、その後一時516円安まで下げるなど非常に荒っぽい値動きとなりました。現時点では日銀の追加緩和内容はマーケットを安心させるものではなかったようです。また、FRBの緊急利下げや量的金融緩和策の導入を受けても米国のダウ先物は下落しており、引き続き不安定な相場が続きそうです。一段安への警戒を持つべき局面だと考えています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)